<■409行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 主張 IAEA報告書 首相は処理水の決断急げ 2023/7/5 5:00 https://www.sankei.com/article/20230705-LQHWJYJZENPJXBVXH4X32XAYY4/ 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が来日し、東京電力福島第1原子力発電所で準備が進む処理水の海洋放出計画の安全性などを評価した包括報告書を岸田文雄首相に手渡した。 報告書は計画に問題点はなく、科学的観点から妥当であることを認めている。 世界の原子力の平和利用を司るIAEAの見解であるだけに、我が国にとって心強い内容だ。 岸田氏には2023年夏の放出に向けて準備を急ぐことを求めたい。 風評を危惧しての逡巡は、国内外の有害な風評を深めるだけである。 処理水中にそのまま残る放射性物質は、水の形で存在するトリチウム(三重水素)だけだ。 多核種除去設備(ALPS)でも浄化できないが、その放射線は極めて弱く、生物の体からも速やかに排出される。 このトリチウム水を含む水を海水で大幅に薄めて太平洋に流すのが海洋放出計画だ。 処理水は大型タンクに千基以上の量だが、正味のトリチウム水は全体で大さじ1杯分に過ぎない点も知っておきたいことである。 2021年4月に海洋放出の基本方針を固めた政府は、安全性と透明性が保たれた形での実施となるよう、IAEAによる客観的な評価を依頼していた。 今回の包括報告書に加え、グロッシ氏は2023年7月5日に福島第1原発を訪れIAEAの事務所を開設する。 放出水の観測継続が目的だ。 原発敷地内のタンク群は満杯に近い。 処理水の放出計画の遅れは、廃炉工程と地元の復興の遅延に直結する。 そうした事態を回避できるタイミングに包括報告書を間に合わせてくれたグロッシ氏に感謝したい。 ところが、である。 この重要な局面で与党である公明党の山口那津男代表から啞然とするコメントがあった。 海洋放出について 「直近に迫った海水浴シーズンは避けた方がよい」 と発言したのだ。 福島復興の最大の敵は風評被害である。 その風評を助長するメッセージであることに気付かなかったとしたらセンスが問われる。 山口氏は釈明したが後の祭りだ。 科学を無視して、海洋放出が危険であると主張する中国や韓国の野党が勢いづくだけだ。 IAEAの報告書を受領した岸田氏は、地元漁業者らとの話し合いを通じて処理水放出への扉を開かなければならない。産経抄 2023/7/5 5:00 https://www.sankei.com/article/20230705-RIUOZ223EROPPC6GGIVLEQK3VY/?971289 オーストリアの首都ウィーンと言えば 「音楽の都」 のイメージが強い。 現在は国際機関が軒を並べる街として知られる。 国際原子力機関(IAEA)もその1つだ。 原子力の平和利用のために1957年に設立された。 ▼福島第1原子力発電所の事故が世界に衝撃を与えた時、組織のトップにいた天野之弥事務局長はすぐに現地に向かった。 以来IAEAは日本政府と緊密に連携しながら、原子力の安全強化に努めてきた。 天野氏は惜しくも任期途中で病に倒れ、現在のグロッシ事務局長に後事が託された。 ▼目下の最大の課題は、廃炉作業の支障となる処理水の海洋放出である。 原発の建屋内にある 「汚染水」 を多核種除去設備(ALPS)によって浄化する、それがすなわち処理だ。 ただ現在の技術では放射性物質のトリチウムだけは除ききれない。 世界中の原発でもトリチウムを含んだ水を海に流してきた。 ▼グロッシ事務局長は2023年7月4日、岸田文雄首相に面会した。 IAEAが海洋放出について2年かけて精査した結果、妥当だとする報告書を手渡した。 韓国内では、日本がIAEAに多額の献金をしたとのフェイクニュースが出回っているらしい。 さすがに信じる人は少ないだろう。 「太平洋は日本の下水道ではない」 などと嫌がらせを続けてきた中国もIAEAの有力な加盟国である。 報告書の内容を完全否定するわけにはいかないはずだ。 ▼後は風評被害を防ぐために全力を尽くすしかない。 その意味で東京電力がライブで配信しているヒラメとアワビの映像はいいアイデアと感心する。 処理水が含まれた海水で飼育されており、処理水の安全性を何より証明している。 ▼ただヒラメより活発な愛嬌のある魚の方が視聴者は増えるのではないか。 原発処理水放出設備、7日に「合格証」交付へ 2023/7/5 11:29 https://www.sankei.com/article/20230705-EHUXSKK6BFNEVLO54FQM7ROJ5Y/ 政府が2023年夏頃までの放出開始を目指す東京電力福島第1原発の処理水について、原子力規制委員会は2023年7月5日、放出設備の性能を最終確認する使用前検査の終了証を2023年7月7日に交付することを決めた。 終了証は検査の 「合格」 を示すもので、放出開始に向けた設備面での準備が全て整う。 一方、国際原子力機関((IAEA)は2023年7月4日、放出計画が 「国際的な安全基準に合致する」 との包括報告書を公表。 来日したグロッシ事務局長が岸田文雄首相に手渡した。 規制委とIAEAの 「お墨付き」 が得られたことで、放出開始の判断材料も出揃ったことになり、首相は近く具体的な放出時期を決断する。 放出設備の検査は2023年6月28〜30日に行われ、原子力規制庁の専門検査官の立ち会いの下、移送配管や海底トンネルの通水試験、処理水を海水で薄める希釈設備の流量、異常発生時に放水を止める緊急遮断弁などの性能を確認。 2023年7月5日の定例会合では、担当の専門検査官が 「特段の問題点は確認されなかった」 などと報告した。 規制委の山中伸介委員長は2023年6月28日の定例会見で、 「指摘事項がなければ、(検査終了後)1週間程度で終了証が交付される」 との見通しを示していた。 処理水放出IAEA報告書受け「引き続き丁寧に説明」と官房長官 2023/7/5 12:23 https://www.sankei.com/article/20230705-YWG2QJZOFVKXNN66TIUU2ILH54/ 松野博一官房長官は2023年7月5日午前の記者会見で、国際原子力機関(IAEA)が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出計画を評価する包括報告書を公表したことを受けて 「引き続き科学的根拠に基づき、高い透明性をもって内外の関係者に丁寧に説明していく」 と重ねて強調した。 放出に反対する地元漁業者らに対しては 「政府を挙げて、安全性確保と風評対策の徹底に取り組むと共に、意思疎通を密にして丁寧な説明と意見交換を重ねていく」 と述べた。 IAEAは2023年7月4日、処理水の海洋放出計画について 「国際的な安全基準に合致する」 と結論付けた報告書を公表し、グロッシ事務局長が岸田文雄首相に提出した。 松野氏は報告書について 「IAEAは原子力分野で国際的な安全基準の策定・適用を行う権限を有する国際機関であり、そのレビューは独立した立場から公平公正、中立に行われる」 と評価した。 韓国、IAEA報告書に「国際機関の判断尊重」 福島原発の処理水放出 2023/7/5 13:06 https://www.sankei.com/article/20230705-DH25EHWMFVNO5HA5RYK3LXRGZU/ 韓国政府は2023年7月5日、東京電力福島第1原発の処理水放出計画は国際基準に合致するとした国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を巡り、 「国際的に権威ある機関が判断したものは尊重する」 との基本的な立場を示した。 政府独自の安全性検証が最終段階にあるとして 「その発表時に、IAEA報告書に対する分析も説明する」 とした。 韓国では放出を懸念する声が多く、野党を中心に反発が強まっている。 IAEAのグロッシ事務局長は2023年7月7〜9日に訪韓し、報告書の内容などを説明する見通し。 処理水問題を巡る定例のブリーフィングで政府高官が述べた。 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は日本やIAEAと連携する姿勢で、与党「国民の力」も2023年7月4日 「報告書を謙虚に受け止め、今後の放出に落ち着いて対応する」 と発表していた。(共同) 「デマに科学的な反論を」処理水放出 東京大大学院 開沼博准教授 2023/7/4 21:43 https://www.sankei.com/article/20230704-P63P7WC4ZNMARGZYSFZSO6JUQE/ 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、福島の被災地を研究する社会学者で東京大学大学院情報学環准教授の開沼博氏が2023年7月4日、産経新聞の取材に応じ、 「風評被害には科学的な反論が必要だ」 と指摘した。 ◇ 国際原子力機関(IAEA)が放出計画の安全性に関する包括報告書を提示した。 専門家の多様な視点を踏まえた客観的な報告書の意義は大きい。 処理水は国内から外交問題に軸足が移っている。 懸念を示す関係各国にとって、参照できる科学的な共通基盤となる。 処理水の放出について 「議論が足りない」 と批判するのは誤りだ。 2013年12月以降、経済産業省のトリチウム水タスクフォースや小委員会で、専門家が処理方法について議論を積み重ねてきた。 処理水に関する正確な情報の共有は確実に進んでいる。 だが、風評被害は起こり得る。 処理水を巡るデマに対し、一番のインフルエンサーは政治家だ。 政治が前面に立ち、継続的な情報発信を通じて、偏った考えが固定化されることを避けてほしい。 政府と東電は2015年に福島県漁連に対し 「関係者の理解なしには、如何なる処分も行わない」 と伝えた。 そのため、福島の漁業者の対応に焦点が当たっているが、漁業者に 「決定権」 を押し付けてはいけない。 漁業者は処理水が人や環境に害がないことを理解しても、放出に反対する姿勢を崩すことは出来ない状況だ。 政治の責任で放出を決めねばならない。 処理水を巡る社会の不安を漠然と見ていてはダメだ。 北朝鮮の工作機関が韓国の協力者に対し、処理水問題に絡めて韓国世論の扇動を指示したことが韓国当局の捜査で判明している。 純朴な不安に付け込み悪意を持って、フェイクニュースを流している団体は海外にも国内にも存在する。 風評で被害が起きるならば、風評で加害がある。 韓国の漁業者は処理水の放出について科学的根拠を欠いた意見を表明する専門家を業務妨害で告訴した。 日本も科学的に反論する姿勢がそろそろ必要ではないか。 メディアが風評を生み出し、被災者が困ってしまう状況を作り出しているといった問題意識を持つ人は多い。 2021、2022年に処理水や風評について1500人にアンケート調査を行ったところ、 「福島への偏見・差別の原因」 を尋ねた設問で 「マスメディア」 と答えた人は1番多く、 「SNS」 「政府・行政」 「東京電力」 を上回った。 不安を増幅させ、全体像を歪めさせるような報じ方は厳に慎むべきだ。 福島第1処理水の海洋放出、IAEA「国際的安全基準に合致」と報告 2023/7/4 20:57 https://www.sankei.com/article/20230704-RYVLIGEL3RM7HGD5JU764XXLRY/ 岸田文雄首相は2023年7月4日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と官邸で面会し、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出計画への評価を盛り込んだ包括報告書を受け取った。 IAEAは報告書で、放出は 「国際的な安全基準に合致する」 と結論付けた。 政府は、科学的な安全性の裏付けとなる報告書の内容を国内外に発信すると共に、 「夏頃」 とする放出開始時期の検討に入る。 首相はグロッシ氏との面会で、 「日本や世界の人々の健康や環境に悪影響のある放出を認めることはない」 「科学的根拠に基づき、高い透明性を持って国内外に丁寧に説明していきたい」 と述べた。 IAEAが2023年7月4日発表した報告書は 「包括的な評価に基づき、東電や日本政府による活動は国際的な安全基準に合致する」 として、放出計画に問題はないとした。 また、海洋放出が人や環境に与える放射線の影響について、 「処理水の性質を考慮すれば、無視できるものと判断した」 と説明した。 放出開始後もIAEAが 「日本に関与する」 と明記し、 「安全評価やモニタリングを継続し、国際社会に透明性と安心を提供していく」 と強調した。 報告書は、調査団が複数回の現地調査を経て、2年近くかけてまとめた。 グロッシ氏は2023年7月4日、都内で記者会見し、東電が実施する放射性物質の測定について、 「サンプルの採取手順や分析方法も的確で信頼できる」 と評価した。 放出計画では、放射性物質トリチウムの濃度が国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1未満になるよう海水で薄め、海底トンネルを通して原発の沖約1kmで放出する。 放出設備の工事は2023年6月に完了し、近く原子力規制委員会の検査に合格する見通しで、設備面の準備はほぼ整っている。 トリチウム放出量、中国では福島第1の6.5倍の原発も 欧米は桁違い 2023/7/4 20:36 https://www.sankei.com/article/20230704-2ZETT7SKZBMMJEDZYJCV6PUFTU/ 東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、計画の安全性を検証してきた国際原子力機関(IAEA)は2023年7月4日、放出計画は 「国際的な安全基準に合致する」 との包括報告書を公表した。 ただ、中国や韓国など周辺諸国からは反発も予想される。 日本政府は科学的な根拠を基に、粘り強く理解を求めていく構えだ。 福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、諸外国から安全性への理解を得ようと、政府が情報発信を強化している。 近隣の中国や韓国が非科学的な批判を繰り返し、政治利用しているためだ。 だが、中韓には、放射性物質トリチウムの年間排出量が福島第1の6倍を超える原発もある。 政府はこうした客観的な事実も対外的に示しながら、諸外国に冷静な対応を求めている。 福島第1のトリチウムの年間排出量は事故前の管理目標と同じ22兆ベクレル未満を予定する。 濃度を国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈した上で流す計画だ。 放出後には海水と混じり、更に薄まっていく。 トリチウムの除去は技術的に難しく、海外でも基準値以下に薄めてから海洋や大気中に放出している。 中には、福島第1の排出量を大きく超過する事例も少なくない。 経済産業省によると、中国では秦山第3原発が約143兆ベクレルと福島第1が予定する6.5倍、陽江原発は5倍、紅沿河原発は4倍。 韓国でも月城原発が3.2倍、古里原発が2.2倍に上る。 欧米では、数字が更に跳ね上がる。 フランスのラ・アーグ再処理施設は454.5倍。 カナダのブルースA、B原発は54倍、英国のヘイシャム2原発は14.7倍と桁違いだ。 これらのデータは経産省が海外向けに開設したサイトにも盛り込まれている。 政府は諸外国から求めがあれば説明の機会も設けてきており、2023年5月には韓国政府が派遣した専門家が福島第1を視察した。 西村康稔経産相は2023年7月4日、IAEAのグロッシ事務局長に対し、 「海洋放出の安全性について、国際社会に対してもしっかりと透明性をもって情報発信していきたい」 と伝えた。 東京電力は2023年7月4日、IAEAの報告書について、 「安全確保に万全を期し、国内外に透明性高く発信し、国際社会に理解を深めていただけるよう努める」 とのコメントを出した。 IAEA包括報告書要旨 2023年7月5日 産経新聞 国際原子力機関(IAEA)の包括報告書の要旨は次の通り。 【序文】 東京電力福島第1原発の処理水を海洋放出する計画は、日本政府による国家的な決定である。 この報告書は、その方針を推奨するものでも、支持するものでもない。 IAEAは、透明かつ包括的な方法で評価するためタスクフォース(通常の組織内で行う仕事とは別に緊急性の高い特定の課題を達成するため、一時的に設置される組織)を設置した。 IAEAの専門家の他、豊富な経験を持つアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、マーシャル諸島、韓国、ロシア、英国、米国、ベトナムの専門家が含まれる。 処理水を海洋放出する日本の計画、東京電力、原子力規制委員会、政府による関連活動は、国際的な安全基準に合致している。 処理水放出が、社会的、政治的、環境的な懸念を引き起こしていることは認識しているが、計画されている処理水放出による人や環境への放射線の影響はごく僅かだ。 IAEAは国際社会に透明性と安心感をもたらすため、放出の開始後も監視活動を続ける。 【基本原則】 東電は、処理水の放出の安全性に関する第一義的な責任を負う。 日本政府は、放射線リスクを生じさせる施設や活動に関する法的・規制的枠組みを確立している。 原子力規制委員会は独立した規制機関で、東電の施設や処理水放出を規制する責任を負う。 東電と規制委の安全に関するリーダーシップと管理体制は確立されている。 【安全要求事項】 処理水の人体への影響に関する評価結果は、国際的な安全基準に合致している。 海域の動植物への放射線影響は無視できる程度であることが確認されている。 近隣諸国の住民の被曝線量はごく僅かだと推定される。 緊急遮断装置や検知器などには 「深層防護」 の概念が確実に組み込まれた。 これまで検討されてきた潜在的な事故や事象については、放射線リスクは軽微であり、対応措置は必要ない。 東電と経済産業省は、透明性を確保する活動を行ってきた。 【将来的な活動】 放出開始前に評価された技術的事項の多くは、関連する国際安全基準との継続的な整合性を確保するため、定期的に見直されるべきだ。 IAEAは、第1原発に事務所を設置し、処理水放出の前後数週間、現地に常駐する。 この期間以外も、IAEAの専門家が現地に滞在し、必要に応じて監視活動を実施する。 東電から提供されるデータは出来る限り早く公表し、市民向けに放出状況を共有する。 首相「夏頃」放出方針は堅持 国内外情勢見極め、放出時期を判断 2023/7/4 20:12 https://www.sankei.com/article/20230704-SXAWD5JBOVITXFV25UIIH4BVFA/ 岸田文雄首相は、国際原子力機関)IAEA)による客観的評価を踏まえ、当初方針通り 「夏頃」 までに東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を開始したい考えだ。 ただ、地元漁業者らの懸念も根強く、中国などが科学的根拠に乏しい情報を流布して情報戦を仕掛けている。 首相は国内外の情勢を見極め、時期を最終判断する。 「信頼性や透明性について国際社会の理解を醸成していく上で極めて重要だ」 松野博一官房長官は2023年7月4日の記者会見で、IAEA報告書の意義を強調した。 夏頃までに放出を開始する方針に 「変更はない」 と明言し、具体的な時期は 「安全性の確保や風評対策の取り組みの状況を政府全体で確認し、判断していく」 と述べた。 放出に当たって、政府は地元の理解が必要だとの認識を示してきた。 政府と東電は2015年、処理水に関し、 「関係者の理解なしに、如何なる処分も行わない」 と地元漁業者に文書で伝えている。 風評対策として500億円規模の基金を創設し、引き続き丁寧な説明と意見交換を重ねる。 政府が2023年夏頃の放出開始に拘るのは、国内外の政治情勢に影響を及ぼしかねないためだ。 2023年11月の福島県議選など、2023年秋以降、岩手と宮城、福島の3県では地方選挙が予定されている。 批判もある処理水問題が争点となるのを避けたいのが本音とみられている。 更に国外では、中国が処理水を 「核汚染水」 と呼び、反対の国際世論を広げようとしている。 香港、マカオ両政府は処理水を放出した場合、福島県産水産物などに禁輸措置を発動する方針も示す。 韓国の尹錫悦政権は、IAEAの検証で安全性が確認されれば処理水放出を容認する立場だ。 ただ、野党側は海洋放出計画の撤回を求める決議を国会で強行採決するなど政権批判の材料に利用し、中国とも足並みを揃える。 韓国の革新系インターネットメディアは、日本の外務省幹部がIAEA関係者に政治献金したとするデマも報じた。 2024年1月には台湾総統選、2024年4月には韓国の総選挙が控える。 処理水の放出を先延ばしした結果、問題がくすぶり続ければ、中国や韓国野党が海洋放出をテコに親日的な台湾・蔡英文政権や韓国・尹錫悦政権を攻撃する可能性がある。 日本政府高官は 「全ての国から理解を得ることは難しい」 「最後は総合的に判断する」 と語る。 ノーカット動画 海洋放出、国際基準に合致 IAEA事務局長会見 2023/7/4 19:34 https://www.sankei.com/article/20230704-2MYIWPFR3RKYTKX22KZYGSPMBM/ 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、計画の安全性を検証してきた国際原子力機関(IAEA)は2023年7月4日、放出計画は 「国際的な安全基準に合致する」 との包括報告書を公表した。 来日したグロッシ事務局長は東京都内の日本記者クラブで会見し 「包括的で中立的、科学的な評価が必要」 「そのことに自信を持っている」 と強調。 近隣国の懸念には 「全ての人の声を真剣に受け止め、客観的な答えを提供する」 と話した。 処理水放出「国際基準に適合」 原発内に事務所新設 IAEA事務局長 2023/7/4 18:31 https://www.sankei.com/article/20230704-277VOLPN2VMX7LAGVOFKABFZVI/ 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が2023年7月4日、都内の日本記者クラブで会見し、東京電力福島第1原発の処理水放出計画について 「2年以上検証した結果、国際基準に適合しているものと判断した」 と述べ、 「放出は妥当」 とする従来の見解を堅持した。 また、グロッシ氏は、同原発構内にIAEAの現地事務所を新設し、職員を常駐させることも表明。 海洋放出が計画通りに進んでいるか監視すると共に、風評被害への懸念が根強い地元漁業者らとの対話や、放出後も安全評価を継続して行うのが目的という。 グロッシ氏は2023年7月7日まで日本に滞在し、その後は韓国や太平洋島嶼国を歴訪する。 これらの国々で懸念が広がっていることについても触れ、 「包括的、中立的、科学的健全性を重視し、評価を行った」 「最も重要なのは、私たちはいつでも皆さんの疑問に答える用意があるということだ」 と語った。 会見では、放出に反発する中国の通信社記者が 「汚染水」 との表現を使って、計画の信頼性への疑問を投げ掛けた。 これに対し、グロッシ氏は 「中国を含めて世界中がトリチウム水を海洋放出している」 「決して新しい技術ではなく、日本の計画は信頼に足りると判断した」 と述べ、放出計画に 「問題はない」 とする見解を繰り返した。 日商会頭、公明・山口代表批判 処理水発言「風評の一つだ」 2023/7/4 17:47 https://www.sankei.com/article/20230704-7R6NBBFLU5JUFDM5HHJLK56OSQ/ 日本商工会議所の小林健会頭は2023年7月4日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、海水浴シーズンを避けた方が良いとした公明党の山口那津男代表の発言を批判した。 「科学的根拠はない」 「風評の1つだ」 「不安を煽ることに繋がる」 と指摘した。 小林氏は、処理水の海洋放出は 「科学的に全く問題ないので行うべきだ」 と主張。 風評被害で海産物が売れなくなる可能性にも触れ 「(国内外の不安を)解きほぐすのが政治(の役割)だ」 と強調した。 「風評被害招く」公明・山口代表発言に与野党の批判相次ぐ 2023/7/3 18:49 https://www.sankei.com/article/20230703-RH3KTAYBQFNURNQK3SOVHABWHE/ 公明党の山口那津男代表が、今夏に政府が目指す東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、 「直近に迫った海水浴シーズンは避けた方がよい」 と発言したことに、与野党から批判が相次いでいる。 山口氏には 「風評被害を招かないことが大事」 と強調する狙いがあったようだが、処理水が海水浴客に危険な影響を及ぼすといった誤解を生じさせ、却って風評被害を招きかねないためだ。 「科学的に認識の間違った発信を与党の代表が行うことで、あらぬ風評被害が広がる恐れがある」 「極めて不見識だ」。 処理水を巡る風評被害の払拭に取り組んできた日本維新の会の藤田文武幹事長は2023年7月3日、産経新聞の取材にこう語った。 山口氏は2023年7月2日、福島市内で処理水の海洋放出について 「海水浴シーズンにわざわざ開始する理由も特にない」 「その点を考慮し、慎重に対応してもらいたい」 と記者団と語った。 海洋放出する処理水は、東電が多核種除去設備(ALPS)で放射性物質を規制基準以下に浄化する。 トリチウムは取り除けないが、放出前に国の排出基準の40分の1以下に希釈する。 トリチウムは国内外の原子力施設で海洋放出されており、生態系への悪影響は確認されていない。 このため、山口氏の発言には 「このような発言が風評被害を生み出す」 (維新の柳ケ瀬裕文総務会長の2023年7月2日のツイッター) などと批判が相次いでいた。 批判は公明と連立を組む自民党からも出ており、佐藤正久元外務副大臣は2023年7月3日、ツイッターで 「風評被害を招くだけでなく、(海洋放出を批判する)中国や韓国野党にも塩を送る発言」 「全く科学的でない」 と指摘した。 原子力政策に詳しい自民の中堅議員は2023年7月3日、 「与党幹部が言うべき発言ではない」 「むしろ自信を持って『放出すべきだ』と言って当たり前だ」 「自ら風評を招きかねず、残念だ」 と語った。 主張 迫る処理水放出 「風評」を一掃するときだ 2023/6/30 5:00 https://www.sankei.com/article/20230630-NJVPCZ33RJNXXBCBYOZ6FGYNWM/ 長さ1キロの海底トンネルなど、政府が2023年夏にも予定する東京電力福島第1原子力発電所の処理水を太平洋に流すための放出設備が完成した。 これを受けて、設備の性能を確認する原子力規制委員会による使用前検査も始まった。 2023年7月上旬には放出計画の安全性を検証してきた国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が来日し、評価内容を盛り込んだ最終報告書を岸田文雄首相に手渡す予定だ。 首相は早期に放出を始めるべきだ。 ただし、風評被害に繋がる誤解は国内にも残っている。 処理水に含まれる放射性物質のトリチウムについてしっかり理解しておきたい。 福島第1原発の炉心溶融事故によって生じた汚染水は多核種除去設備(ALPS)で大半の放射性物質が除去されるが、水素と兄弟元素のトリチウムは水の分子を構成するため、普通の水と分離されずにそのまま残る。 だが、トリチウムの放射能は極めて弱い上、生物の体内からも速やかに排出される。 そういう性質なので海洋放出が世界的に認められているわけだ。 トリチウムは正常運転の原子炉内でも発生し、中国や韓国の原発からは1年間に約140兆ベクレルから70兆ベクレルもの量が東シナ海や日本海などに放出されている。 それに比して処理水中のトリチウムは毎年22兆ベクレルに抑えられる計画だ。 また、トリチウムは宇宙線と大気の作用で自然発生していることも知っておきたい。 日本に降る雨に含まれる量は年間約220兆ベクレルに達している。 こうした事実にもかかわらず、水産物への風評被害が国内でも危惧される現実が寂しい。 政府はその対策や漁業支援に計800億円の基金を設けざるを得なかった。 風評は根も葉もない虚説だ。 だが政府が対応を誤れば、更なる風評を招くこともあり得よう。 福島第1原発の敷地に林立する処理水のタンクは、1000基を超えている。 廃炉工程と地域の復興を進めるには、処理水の海洋放出でタンクを減らし、用地を確保することが必要だ。 しかし、海洋放出には大きな課題が残されている。 政府と東電が地元漁業者に約束した8年前の文言だ。 「関係者の理解なしに、如何なる処分も行わない」 としている。 対処に最大の理性が求められる局面である。
[スレ主【蒲田の富士山】による初期非表示理由]:アラシかも(アラシや工作員コメントはスレ主が処理可能)
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