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2023年6月20日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/257662?rct=national
関西電力高浜原発(福井県高浜町)で保管されている使用済み核燃料が、2020年代後半にフランスへ搬出され、実証研究で再処理されることになった。関電は、地元から長年求められていた福井県外への使用済み核燃料の搬出に応えたとするものの、国内で保管場所を用意できない現実を突きつけられた。搬出量もわずかで、根本的な解決には程遠い。(渡辺聖子、佐久間博康)
◆運転同意の条件が「県外搬出先候補の提示」だった
「県外の中間貯蔵と同等の意義がある」。12日、県庁で再処理計画を報告した関電の森望社長は強調し、「県との約束はひとまず果たされた」と述べた。19日に経済産業省を訪ねた杉本達治知事は、西村康稔経産相から森社長と同じ認識を示され、終了後の報道陣の取材に「立地自治体や県議会ともやりとりして、判断を決めたい」と述べるにとどめた。
実証研究は電力事業者11社が、国内の商業用原発では前例がない使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の再処理に向けて実施。高浜原発から使用済みのMOX燃料約10トンを含む約200トンをフランスへ搬出する。
原発が立地する地域を地元とする自民党県議は「肩すかしを食らったような気分だ」と冷ややかだ。
県は30年ほど前から、使用済み核燃料を県外へ搬出するよう関電に求めてきた。杉本知事は2020年、美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜原発1、2号機の「原則40年」を超える運転延長に同意するには、県外搬出先の候補地の提示が条件になるとの考えを示した。関電は23年末までに、使用済み核燃料を一時的に保管する中間貯蔵施設の計画地を確定すると約束。30年ごろに2000トン規模で操業するとした。
しかし、候補地選びは難航。青森県むつ市に東京電力と日本原子力発電が整備した中間貯蔵施設を共同利用する案が浮上したが、むつ市が反発し、立ち消えになった。
関電は約束を守れなかった場合、3基の運転を停止すると表明。県との約束期限まであと半年ほどに迫っていた。
◆「ほかの使用済み核燃料をどうするのか」
今回の搬出の名目となる研究は、原発の積極活用に転じた政府の方針に布石があった。政府は4月に決定した原子力政策の行動指針で、核燃料サイクルの推進に向けて使用済みMOX燃料の再処理の研究開発を進めることを明記。使用済みMOX燃料を原発で再利用した実績のあるフランスを頼り、5月に日仏政府が発表した共同声明の中にも研究開発が盛り込まれた。
政府方針を利用し、県外に保管場所を確保する約束は、研究のための搬出に姿を変えた。搬出量も関電が福井県内の3原発で保管している使用済み核燃料のわずか5%。森社長は不十分であることを認め「必要な量を確保するための取り組みは全力でやる」と述べ、さらなる県外搬出を目指す考えを強調したが、具体策は示さなかった。
その場しのぎの対応に終始する関電に前出の自民県議は憤る。「ほかの使用済み核燃料をどうするのか道筋がない。これまで候補地確定に向けてどんな動きをしてきたかも説明がない。不透明なことばかりで話にならない」
使用済みMOX燃料再処理の実証研究 使用済み核燃料から再処理という化学処理で取り出したプルトニウムとウランでつくられたMOX燃料を原発で使った後、さらに再処理してもう一度使うことを目指す。使用済みMOX燃料の再処理の実績があるフランスのオラノ社に委託して実施する。国内ではMOX燃料をつくることすらできず、MOX燃料を使うプルサーマル発電ができるのも、現状で高浜原発3、4号機など4基しかない。
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