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※2021年12月17日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年12月17日 日刊ゲンダイ2面
【国が数字を書き換えたらもうオシマイ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 18, 2021
今 必要なのは腐り切った自民党政治との決別
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/Buh5ddBc2l
※文字起こし
国家が統計を改ざんするようになったらオシマイである。とうとう、この国は底が抜けてしまったのではないか。
国交省が8年間にわたって重要データを書き換えていたことが発覚し、さすがに“対決型”から“提案型”にシフトした野党も、岸田政権を追及している。国交官僚が数字を書き換えていた「建設工事受注動態統計」は、建設業者が国や民間から受注した工事実績を集計したもの。公的統計でもとくに重要とされる53ある基幹統計の一部だ。GDPの算出にも使われている。
国交省によると、建設業者の受注実績を“二重計上”する書き換えは、2013年4月から始まったという。ちょうど前年2012年12月に自民党が政権復帰し、「アベノミクス」がスタートしたタイミングである。当然、統計は過大になり、GDPも実際より大きく膨らむことになる。
どうかしているのは、2019年に会計検査院から不正書き換えを指摘された後も、改ざんを続けていたことだ。わざわざ“正しい統計”と“不正な統計”を同時に作成していたというのだから常軌を逸している。
安倍シンパのネトウヨは、「中国の経済統計は信用できない」などとバカにしているが、こうなると日本も中国と変わらないのではないか。なにしろ、2018年にも厚労省が「毎月勤労統計」で不正な操作をしていたことが発覚している。この調子では、まだまだ改ざんがあってもおかしくない。
統計改ざんは、統計法に抵触するれっきとした犯罪である。6月以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられる。
なぜ、危険を冒してまで国交官僚は改ざんに手を染めたのか。GDPをかさ上げして「アベノミクス」が成功しているように見せるためだったのではないか。改ざんの8年は、アベノミクスの8年とピタリと重なるのだ。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「アベ政治の8年間で大きく変わったのは、霞が関に“忖度文化”が蔓延してしまったことです。以前の官僚には“国家を支えているのは自分たちだ”という矜持があり、“不正なんて冗談じゃない”と突っぱねる気概があった。でも、8年も続いた安倍1強によって、政権にマイナスになるようなことは、たとえ不正でも、隠したり、捨てたり、書き換えるようになってしまった。財務省は、安倍夫妻を守るために公文書まで改ざんしています。やはり2014年に内閣人事局が設置され、官邸に人事権を握られたことが大きかったと思います」
アベノミクスを正当化させるためだったのか、厚労省が「毎月勤労統計」を不正操作したために、本当は実質賃金が低下していたのに、上昇していることになってしまった。いったい、中国とどこが違うのか。
戦前とウリ二つだったアベ政治 |
事実を軽視し、都合よくデータを書き換えていたアベ政治の8年間は、戦前の日本とまったく一緒だ。
実際は連戦連敗だったのに大本営は「勝った、勝った」と戦況を捏造して国民を熱狂させ、戦争継続の機運をつくっていった。
典型的なのは、1942年8月に始まったガダルカナルの戦いである。日本の最終的な戦死者は2万1138人だったのに、大本営は「日本軍の死者1万7000人」と発表し、一方、連合軍の死者については、実際は1000人程度だったにもかかわらず、「敵に与えたる損害」は2万5000人と、25倍に膨らませている。
結局、計846回に及んだ大本営発表では、日本軍はアメリカの空母84隻、戦艦43隻を沈めたことになっていたが、実際には空母11隻と戦艦4隻を沈めただけだった。
これでは、戦時下の日本国民が「日本は負けない」と信じてしまったのも当然である。軍部は天皇にまで虚偽の事実を報告していたという。
戦後、吉田茂元首相は、著書「回想十年」で〈戦時中からとかく我が政府は故意に、または無意識的に自分に好都合な数字のみを発表することが癖になっていた〉と記している。
大本営がことごとく戦況を捏造したのは、国民を熱狂させると同時に、おびただしい犠牲者を出したことへの責任から逃れるためだった。ノンフィクション作家の保阪正康氏は本紙連載の「日本史 縦横無尽」で、こう書いている。
〈太平洋戦争の最大の問題点は、【略】たとえ兵士たちが戦略の失敗で亡くなろうと、それを隠蔽し、偽りの発表で自分たちの責任を回避したということであった〉
国民を熱狂させ、責任回避のためにウソを垂れ流す大本営の姿勢は、8年間も統計を改ざんして、結果的にアベノミクスの成功を“演出”することになった国交省や、「毎月勤労統計」を不正操作した厚労省とほとんど変わらないのではないか。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「政府が事実をねじ曲げたり、統計を改ざんするのは、国民の反対を抑え、政府の方針を押し通したいと考えるからです。戦前・戦中は戦争反対の声を抑え込むために事実を隠蔽した。アベノミクスに対しては、当初から『カネ持ち優遇だ』『格差を生みかねない』という懐疑的な声があった。景気を良く見せた統計の改ざんには、そうした声を封じ込めたい思いもあったのではないか。両者は『戦争』と『経済』という違いはありますが、発想の根本は同じです」
表紙を替えても体質は変わらない |
これ以上、腐り切った連中にこの国を任せていてはダメだ。
時の権力者を守るために官僚が平然と公文書を改ざんしたり、政策の失敗を隠すために統計データを書き換えるなど、欧米先進国ではあり得ないことだ。このままでは、日本は本当に三流国に転落してしまう。
危機的なのは、公文書が改ざんされたり、経済データが書き換えられても、自民党議員の多くが驚かなくなっていることだ。当たり前のような顔をしている。恐らく、国交官僚による統計データの改ざんも、誰が命じたのか、誰が悪いのか、真相はウヤムヤになり、誰も責任を取らずに幕引きされるはずである。
8年間のアベ政治によって、自民党は上から下まで腐敗堕落し、完全に感覚が麻痺している。もはや、表紙を替えたくらいでは、自民党に染みついたアベ政治は変わらない。いま必要なことは、腐り切った自民党政治との決別なのではないか。
「岸田首相の本質は、安倍元首相とまったく同じです。驚いたのは、公文書の改ざんを命じられて自死した近畿財務局職員の妻・赤木雅子さんが政府を訴えていた裁判を、政府が“認諾”する形で裁判を打ち切ってしまったことです。赤木雅子さんは、真相解明を望んでいたのに、関係者の証人尋問の前にいきなり裁判を打ち切ってしまった。1億700万円という賠償金を払ってでも、真実解明に蓋をした格好です。どこが“聞く耳”なのでしょうか」(五十嵐仁氏=前出)
戦前の日本は、データを改ざんし、絶対に勝てないアメリカと戦って国を滅ぼしてしまった。国が数字を書き換えるようになったら、もはや末期的である。一刻も早くマトモな政権に変えないといけない。
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