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足が早い岸田文雄内閣
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2021年10月 4日 植草一秀の『知られざる真実』
10月4日、招集された臨時国会で岸田文雄氏が第100代の内閣総理大臣に選出され、岸田内閣が発足した。 岸田氏は10月14日に衆院を解散し、総選挙を10月19日公示、10月31日投票の日程で実施する方針を固めたと報じられている。 岸田内閣は足が早い。 鮮度が落ちるのが早い。 時間が経つとすぐに腐敗が始まる。 そのため総選挙を急ぐ。 腐敗臭が立ち込める前に選挙を実施してしまおうということ。 また、コロナの新規陽性者数が減少している。 しかし、人流はすでに再拡大に転じている。 コロナ感染の再拡大が目立ってくる前に総選挙を実施してしまおうとの考え。 麻生太郎氏、菅義偉氏は、政権発足直後の高い内閣支持率を総選挙実施に生かさなかった。 この教訓を生かして、政権発足直後の衆院総選挙に臨む。 岸田文雄氏は9月29日の自民党両院議員総会で自民党党首に選出された。 その際のあいさつで 「これから衆院選、参院選に臨んでいかなければならない。 生まれ変わった自民党をしっかり国民に示し、支持を訴えていかなければならない。」 と述べた。 しかし、「生まれ変わった自民党をしっかり国民に示すには、示す場と時間が必要。 臨時国会は野党が召集を求めてきたもの。 憲法の規定で内閣は臨時国会を召集する義務を負っていた。 憲法に、いつまでに招集しなければならないとの期日の規定がないのをいいことに、国会召集の義務を果たさずに来た。 1ヵ月間も自民党の党首選びに時間を注いでおいて、党首が決まり、内閣を交代するための臨時国会を開いて、一切の審議に応じない。 「生まれ変わった自民党」 ではなく 「何一つ変わらない自民党」 の姿が国民の前に明示されている。 最悪は、自民党幹事長に甘利明氏を起用したこと。 甘利明氏はUR疑惑を解消していない。 政治権力に支配された刑事司法が不起訴にしたことを盾に一切の説明責任を果たさない。 国会から姿をくらまし、逃げの一手で今日に至る。 内閣支持率が高水準である間、コロナの新規陽性者数が減少している間に総選挙を済ませてしまうとの浅はかな魂胆は見え見えで、この点を見据えて、国民が厳しい審判を下さねばならない。 衆議院総選挙は政権選択の選挙。 いまの自公政治を存続させるのか。 それとも、日本政治を刷新するのか。 主権者はこの点を十分に考えて投票に臨まなければならない。 主権者である国民が、政治のあり方を決めることのできる最重要の機会が衆院総選挙。 必ず選挙に行き、選べるなかでの最善の投票を行う必要がある。 「帯に短し、たすきに長し」で理想の候補者がいなくても、選べるなかでのベストを選択して投票するしかない。 多くの人が選挙を棄権すると、政治利権を独占しようとする25%の人々に政治の実権を奪われてしまう。 25%の人が政治を支配するいびつな状況を変えられない。 投票に際して注意事項がある。 小選挙区の選挙では当選者が一人しか出ない。 反自公の候補者が複数存在し、反自公の投票が分散すると、自公の候補が圧倒的に有利になる。 したがって、反自公の投票を一人に集中させることが必要になる。 本来は野党が知恵を結集して候補者を一本化しなければならない局面だが、その行動が十分取られていない。 したがって、市民の側が一本化するべき候補者を明示する必要がある。 「政策連合(オールジャパン平和と共生)」はこの作業に取り組む所存。 鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」) https://bit.ly/39BTgmd 10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社) https://amzn.to/3hSer8a のご高覧も賜りたい。 |
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