http://www.asyura2.com/21/senkyo283/msg/462.html
Tweet |
コロナ対策ゼロベースで見直すべき ポイントは人流より「季節性」だ どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/295554
2021/10/05 日刊ゲンダイ
夏のピークも過ぎ、第5波が収束しつつあるが(C)日刊ゲンダイ
コロナ流行の第5波が収束しつつある。9月26日、田村憲久厚労大臣は、NHKの番組で、30日を期限とする緊急事態宣言の解除を「この状況でいけば実現できる」と発言し、実際、政府は緊急事態宣言を全面解除した。ただ、行動制限の緩和は実証実験の結果を見ながら、段階的に進めていくそうだ。緩和の時期は10月中旬から11月初旬になるだろう。
私は、この発言を聞いて暗澹たる気持ちとなった。コロナ流行から1年9カ月が経ったのに、何も学んでいないからだ。コロナ対策で注目すべきは、流行に季節性があることだ。昨年、今年と春は3月下旬、夏は6月下旬から感染が拡大した。春のピークは、昨年は4月15日(7日間平均)で、今年は5月14日と4週間遅く、夏のピークは昨年は8月9日で、今年は8月25日と2週間遅い。アルファ株、デルタ株という変異株が流行し、感染が拡大したためだろう。
季節性が認められるのは、日本に限った話ではない。日韓の流行パターンは見事に一致しているし、主要先進7カ国(G7)の流行状況も類似する。
興味深いのは、いったん、ピークを越えると人流が増加しても急速に感染が収束していることだ。例えば、昨夏はお盆、今夏は新学期という人流拡大の時期に感染者は減り続けた。コロナの流行には人流以上に季節が影響しそうだ。
ところが、厚労省や専門家に、季節性の視点は皆無だ。松本哲哉・国際医療福祉大学教授は、感染者の減少の原因について問われ、「人流そのものが変わっていないのに、感染者数だけが減るのは矛盾していますので、実態を反映している数なのかどうか」とコメントしているし、8月12日、コロナ感染症対策分科会は、2週間限定で人流5割減の集中対策と求めている。さらに、政府は8月25日に8道県に緊急事態宣言を発令した。この日は第5波の流行のピークだ。
季節性はコロナ対策で重要なポイントだ。それは、この点を考慮すれば、流行をある程度予想できるからだ。昨冬は10月末から感染が拡大し、1月初旬がピークだった。ピークの感染者数は夏場の約5倍だ。おそらく、今年も10月末前後から流行が始まり、大流行へと発展するだろう。
ところが、政府は、この時期に規制を緩和しようとしている。これは合理的でない。コロナ対策にはメリハリが必要だ。夏の流行を終えた現在、飲食店やデパ地下などを対象とした科学的根拠のない規制は即座に緩和すべきだ。一方、政府が規制緩和を予定している10月末から11月初旬は冬の流行が始まる時期だ。あえて規制を緩和すれば、感染拡大を助長するし、人流の影響を過剰評価する結果となりかねない。これでは、いつまで経っても日常生活に戻れない。我が国のコロナ対策は季節性を考慮し、ゼロベースで見直すべきだ。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。