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菅首相のおひざ元・横浜市長選 現職ら9人 乱立の構図とは 保守分裂で吹く意外な“風”
https://dot.asahi.com/dot/2021071500123.html
2021.7.16 08:04 岩下明日香 AERA dot.
出馬表明した現職の林文子氏(c)朝日新聞社
横浜市の林文子市長(75)は15日、8月8日告示の横浜市長選に出馬する意向を正式に表明した。現時点で立候補の意思を示しているのは、林氏に加え、前自民党神奈川県連会長で前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)や作家の田中康夫氏(65)など計9人。菅義偉首相のおひざ元で保守系の票を食い合う厳しい選挙戦となるかと思いきや「結果的に林氏を利する」という見立ても。乱立の横浜市長選はいったい、どんな構図なのか。
【写真】この候補者はなんとなく…
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「IRは横浜市の経済活性化の一つの核となって様々な経済の流れをよくしていくのではないかと思って、IRに引き続き取り組んでいきたい」
15日に立候補を表明した林氏は会見で、カジノを含めた複合型リゾート(IR)を推進する立場をあらためて明らかにした。
今回の選挙の大きな争点はIRだ。賛成には、今のところ現職の林文子氏(75)と元衆院議員の福田峰之氏(57)だけ。市民のカジノに対するアレルギーを意識してか、出馬会見では林氏からこんな発言も飛び出した。
「(IRは)家族でみんなで楽しめる場所。ラスベガスに行かれるとわかると思いますけど、すてきなショッピングセンターで買い物していますし、スロットマシーンのあるところもベビーカーを押した人も一緒に楽しんでいます。私は安全な街にしたい。観光都市にするのなら、横浜市に行けば夜も安心して過ごせると」
国際カジノ研究所の木曽崇氏は横浜市の現状を説明する。
「全国においてIRのカジノ導入には反対論がありますが、横浜ほど大きなムーブメントになっているところはありません。1月にはカジノの是非を問う住民投票条例の制定を求めた署名が19万筆以上集まりました。ある意味、反対派がIRを選挙争点として育ててきたと思っています」
市民の関心の高いIRについて、林氏はそのときどきで態度を変えてきた。もともとはIR誘致に前向きな考えを示していたが、2017年7月の前回の市長選でIR誘致の「白紙」を掲げて3選。しかし、19年8月に一転して「これまでにない経済的、社会的効果を想定している」とIR誘致の推進に舵を切った。もちろん、一部の市民は公約違反だと猛反発、人気は低迷していた。
ただ、現職の林氏に挑む候補者にとって、IR反対の声が追い風になっているかというと、イマイチ風を掴みきれていないのが現状だ。反対派の候補者の乱立がそれを物語っている。
立憲民主党は、IR反対の候補者としては元横浜市立大学医学部教授の山中竹春氏(48)を推薦。元検事で弁護士の郷原信郎氏(66)も出馬の意向を示しており、IRには反対だ。さらに、無所属で知名度と実績のある元長野県知事の田中康夫氏が参戦する。
田中氏は8日の出馬会見で、「この選挙は、一人の候補者を選ぶことですが、同時にカジノを作らないということの意思表示をする住民投票が含まれてる」と述べ、「反カジノは市民のコンセンサス」であると訴えた。
国際カジノ研究所の木曽氏は、前置きとして「カジノ推進派のバイアス」がかかるとしながら、反対派の乱立は想定を超えた展開だとみている。
リベラル系の候補者がIR反対を掲げるのは理解できるが、多くの市民に意外だったのが今回、自民党の元衆院議員の小此木氏が「反IR」に回ったことだ。林氏に先だって立候補を表明したが、IR誘致の取りやめを掲げた。IR推進派の自民党横浜市連は小此木氏の推薦を見送り、「自主投票」となった。
「今回、反対を掲げる候補者として自民系の小此木氏が名乗り出るとは、反対派からすると晴天の霹靂だったのではないでしょうか」 (木曽氏)
ただ、木曽氏によると「自民党の神奈川県連には以前から反対論」があったという。
「菅首相が自民党総裁になる前のことですが、自身にゆかりのある地にIRを誘致すると、党内でいらぬ軋轢を生む可能性があるため、立場を守るために横浜IRを捨てるべきだということを、菅氏に進言した人がいました。横浜IRよりも総裁としてふさわしい人間であることを党内外に示すことの方が重要とする意見があったことは確かです」
どんな背景があるにしろ、菅首相のおひざ元である横浜で保守の分裂選挙となる。林氏は出馬表明の前日に、横浜商工会議所など地元の経済界から再選を望む要請を受けるなど、自身の支持基盤を固めてきている。当然、地元経済界は自民党支持者が多い。
波乱を含んだ選挙戦だが、一方でこんな見立てもある。
ある市政関係者は、小此木氏がIR反対派として出馬した結果、「林氏を利する状況になる可能性もある」とみる。
「人気の落ちている林氏が当選するには、反対派の乱立に期待するしかない。仮に反対派で7割を占めたとしても、前回(2017年)当選した時に約60万票を獲得した林氏なら、有効投票総数の25%以上の30万票くらいはとれるだろうという目算です。残りの票を乱立した反対派候補者で食い合えば、林さんの得票に及ばない可能性があるのです」
IR反対派は、支持基盤や知名度のある、山中氏、郷原氏、田中氏のほかにも、市議の太田正孝氏(75)、動物愛護団体代表理事の藤村晃子氏(48)、水産仲卸会社社長の坪倉良和氏(70)が立候補予定。票が分散することは避けられない。
とはいえ、選挙は水もの。何が起こるかわからない。市政関係者は次のようにも話す。
「どこまで林氏の人気が落ちているかは想定が難しいので、選挙の行方はまだ読めないところです」
果たして、林氏の再選へと情勢が傾くのか。菅首相と「兄弟分」の小此木氏が強みを発揮するのか。それとも、反対派がまとまって風が吹くのか。今後の展開が注目される。(AERAdot.編集部 岩下明日香)
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