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(回答先: Re: 海沿いの小部屋は先住民の子の「監獄」だった…生存者が語る米寄宿学校での人種差別とは(東京新聞) 投稿者 蒲田の富士山 日時 2022 年 7 月 22 日 23:34:16)
2022年7月22日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/191083?rct=world
<米先住民寄宿学校・奪われた未来>
「子どもたちが家族と再会し、癒やしの道が始まったことを光栄に思う」。米陸軍墓地事務所は7月7日、東部ペンシルベニア州カーライル基地で長く埋葬されていた先住民の子ども7人の遺骨が、子孫らに返還されたと発表した。
基地敷地内には1879年から39年間、内務省が運営した先住民寄宿学校「カーライル工業学校」があった。全米50の部族から計1万人の子どもを集め、職業訓練のほか、英語やキリスト教を教えた。
米国の先住民寄宿学校 1819年の「インディアン文明化基金法」などに基づき、先住民の子ども数十万人を強制的に集め、英語やキリスト教のほか、出身部族の伝統とは異なる産業教育を施した。文化継承を絶って白人社会に同化させることにより、先住民の土地を奪う目的もあったとされる。政府やキリスト教会が関与した寄宿学校は400以上。身体的、精神的虐待が横行したほか、劣悪な環境による病気も流行した。2020年の国勢調査では、先住民の血を引く人口は約970万人で全体の約3%。
設立者が掲げた理念は「うちなるインディアンを殺し、人間を救う」。独自の文化を抹消し、子どもたちを親元から離して白人社会に同化させるのが先住民の救済だと信じた。
しかし地元非営利団体によると、実際は虐待や病気がはびこり、在学中に少なくとも186人が死亡した。こうした反省をもとに、遺骨の返還事業が6年前から始まり、今回を含め28人の遺骨が出身部族に返された。陸軍の担当者は「子どもたちを安息の地に戻せるよう全力を注いでいる」と話す。
「アナスタシアは寄宿学校で、どんな気持ちだったのだろう」。今回、遺骨の返還を受けた子孫のキャシー・ローランド(45)は、結核によって1904年に16歳で死亡したという曽祖父の姉を思う。
かつて墓地の管理はずさんだったが、遺骨の9割が残り、誕生日や死亡日などの記録もそろっていたことで、陸軍が身元を特定できたという。アナスタシアはキャシーとともに、カーライルから5500キロ離れた故郷アラスカ州コディアック島に帰ることになった。
実はキャシーとその一族は、120年近く前に世を去ったアナスタシアの存在を知らなかった。家系をさかのぼると養子縁組があったため血縁関係もない。それでも遺骨返還に駆けつけたのは「子どもは部族全体のもの」という強い思いがあるからだ。「私たちには家族を取り戻す力があるのだと自覚し、強くなる一歩を踏み出したい」とキャシー。
同化目的の寄宿学校がなくなっても、先住民社会は今も貧困やアルコール依存症のまん延といった後遺症に苦しむ。コディアック島を愛し、先住民芸術家として活動するキャシーは「部族の言葉を話せるのは数十人しか残っていない」と文化継承の難しさにも悩む。
政府は昨年から寄宿学校の実態調査を進め、今年7月には生存者からの聞き取りを始めた。歴史の直視を訴えるハーランド内務長官は「一夜にして癒やすことはできないが、いつかそうなる」と先住民への財政支援拡大を掲げる。
キャシーはコディアックからカーライルへの旅に、娘のベイリーも連れてきた。アナスタシアが寄宿学校に送られた時と同じ13歳だ。
「やっと家に帰れるね」。心の中でアナスタシアに声をかけたというベイリー。故郷に帰った遺骨には、自身が習う部族の踊りをささげるという。(敬称略、ペンシルベニア州カーライルで、杉藤貴浩)
【米先住民寄宿学校・奪われた未来(全3回)】
米国で先住民寄宿学校の歴史に光が当たり始めている。同化政策が与えた深い傷や癒やしの道を追った。
海沿いの小部屋は先住民の子の「監獄」だった…生存者が語る米寄宿学校での人種差別とは
性被害の記憶や虐待の日々がアルコールに走らせた…今も残る心身の傷
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