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(回答先: 海沿いの小部屋は先住民の子の「監獄」だった…生存者が語る米寄宿学校での人種差別とは(東京新聞) 投稿者 蒲田の富士山 日時 2022 年 7 月 22 日 23:25:58)
性被害の記憶や虐待の日々がアルコールに走らせた…今も残る心身の傷(東京新聞)
2022年7月21日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/190837
<米先住民寄宿学校・奪われた未来>
◆少年が深夜、テントの中で…
それは約60年前のキャンプの日の出来事だった。米中西部サウスダコタ州にあった先住民寄宿学校の出身者ロジャー・セントクレア(76)は、自分が11歳くらいだったと思い返す。
校舎の裏手にある丘に、指導役の司祭や生徒ら10人ほどで出掛けた。日が沈み、テントを張って寝転がる。次に目を覚ましたのは深夜、闇の中で誰かが自分の体を触る感触だった。
セントクレアは「つらすぎる記憶だ。それは性的暴行の試みだった」としか語らない。だが、その時の気持ちは今も強く覚えている。「なぜ自分がそんなことをされるのか。ひどくおとしめられたように感じた」
◆心の飢えを満たした礼拝用ワイン
政府やキリスト教会が先住民を同化するために運営した寄宿学校。その歴史と実態を調査する内務省が5月に公表した報告書は、各校で性的虐待が横行したことを認めている。セントクレアは、体育館で映画が上映される日曜日の夜になると、聖職者の1人が女児を膝に乗せていた光景を覚えている。
心はいつも渇いていた。同時期に在籍した兄弟たちとの交流は禁じられていた。違反すれば、棒の入ったホースでズボンを下ろした尻を打たれた。「まるで孤児みたいだった。たくさんの兄弟がいたのに」とセントクレア。
そんな日々の慰めとなったのはアルコールだ。学校の教会の祭壇には礼拝に使うワインがある。儀式の手伝いに手を挙げ、隠れて飲んだ。「それが苦しみから逃れる唯一の方法だった。14歳のころには依存症になっていた」
酒を断つ決心がついたのは、およそ20年後の30代半ば。「クリスマスには飲まない」という9歳の息子との約束を破り、飲酒運転で事故を起こした末のことだった。
◆がんは3倍以上、若者の自殺率2.7倍
寄宿学校で負った心と体の傷は、多くの出身者の人生に深い影を落とした。内務省の報告書は、寄宿学校を経験した成人の健康状態が、一般と比べて著しく悪いというデータを引用している。「がんは3倍以上、結核には2倍以上なりやすい。心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病のリスクも高い」
背景には、家庭生活や固有の言葉を奪われて育ったトラウマ(心的外傷)や卒業後の社会に適応できなかったための貧困などがある。親子の絆が断ち切られた経験は家庭崩壊の連鎖につながり、後の世代にも影響した。先住民の若者の自殺率は、全国平均の2.7倍に上るという報告もある。
セントクレアと同様、寄宿学校で数々の虐待を受けたマシュー・ウォーボネット(76)は卒業後の10代後半、「竜巻のような怒りの感情」に悩まされ、首をつって死のうとした。だが父に止められた。「あの時、父が泣くのを初めて見た」
その父もそれから10数年後に亡くなった。死因はつま先の壊死えしの悪化。自身も寄宿学校に入れられ、極寒の大地を走って逃げた後遺症だった。(敬称略、ニューヨーク・杉藤貴浩)
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米国の先住民寄宿学校 1819年の「インディアン文明化基金法」などに基づき、先住民の子ども数十万人を強制的に集め、英語やキリスト教のほか、出身部族の伝統とは異なる産業教育を施した。文化継承を絶って白人社会に同化させることにより、先住民の土地を奪う目的もあったとされる。政府やキリスト教会が関与した寄宿学校は400以上。身体的、精神的虐待が横行したほか、劣悪な環境による病気も流行した。2020年の国勢調査では、先住民の血を引く人口は約970万人で全体の約3%。
- 虐待、病気で少なくとも186人死亡…先住民「救済」名ばかり 反省を胸に遺骨の返還進める(東京新聞) 蒲田の富士山 2022/7/22 23:41:03
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