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米英金融資本の手先として活動してきたチュバイスがロシアを離れた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203240000/
2022.03.24 櫻井ジャーナル
ロシアの気候問題特使を務めていたアナトリー・チュバイスが辞任、国外へ出たという。イギリスやアメリカの金融資本によるロシア経済支配の中核人物がロシアを去ったと言うことだ。
チュバイスは1992年11月にボリス・エリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、エリツィンの娘であるタチアナの利権仲間。HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していたが、ここはCIAの工作資金を流していたUSAIDからカネを得ていた。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)
エリツィン時代にチュバイスはエゴール・ガイダルと同じようにラリー・サマーズの命令で動いていた。サマーズは1983年に28歳でハーバード大学の教授になった人物。世界銀行の主任エコノミスト、財務次官、財務副長官、財務長官、ハーバード大学の学長を歴任した。ロシア工作のためにサマーズが雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)
先日、ウラジミル・プーチン大統領がエルビラ・ナビウリナ中央銀行総裁の続投を決めた際には落胆の声も聞かれたが、チュバイスの辞任はロシア経済を自立させるためにプラスだろう。今後、プーチンのブレーンであるセルゲイ・グラジエフが注目されることになりそうだ。
2014年2月にバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。その際、東部のドンバスや南部のクリミアの制圧に失敗、オバマ大統領は退任の直前までロシアとの関係を悪化させることに力を注いた。その時の副大統領がジョー・バイデンだ。
オバマ政権のジョン・ケリー国務長官は査証の発給禁止、資産凍結、貿易面での制裁などを検討する考えを示したが、その直後にグラジエフは「個人的な意見」として、経済制裁が発動された場合、貿易の決済に使う通貨をドルから別のものに変更、「西側」の金融機関から受けている融資の返済を拒否する可能性を示していた。SWIFTに替わるSPFSをすでに稼働、23日にプーチン大統領は非友好国へ天然ガスを売る場合、ルーブル決済に限定させるように指示したと報道されている。
グラジエフは2014年6月、ナチスに焚き付けられた強大な軍事力がロシアとの戦争を狙っていると指摘し、まずドンバス、次にクリミアを奪いにくると主張している。ビクトリア・ヌランドがオデッサでウクライナのエージェントがロシアと戦争することを望んでいると語ったともしている。クリミアへは約50万人が攻め込んでくると想定していた。実際、アメリカ/NATOはウクライナで戦争の準備を進め、ロシアに対する恫喝、挑発を繰り返してきた。ロシアの残された選択は「戦争か不名誉か」だともしている。
こうした展開を予想していたであろうプーチン大統領は2018年3月1日、連邦議会における演説でロシアやその友好国に対する攻撃には反撃すると宣言、同時に保有する最新兵器を明らかにした。核戦争のリスクを減らすため、アメリカとロシアの戦争になるとアメリカの本土も攻撃されると警告したわけだ。
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