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(回答先: Re: 英文記事は拒否権を使う(will),朝日記事はなぜか使うかもしれない(may)と表現。 投稿者 ハゲが好き 日時 2003 年 3 月 02 日 05:00:36)
安保理決議の採決では
賛成か、反対か、棄権か、さらに拒否権行使という4通りの選択肢があるわけですが、
イワノフ外相の発言に…
>「ロシアはイラク問題解決のために直接的にも間接的にも軍事力を使うことを許容するいかなる新決議にも賛成しない。」
とあるので、賛成はしないでしょう。残るは反対か、棄権か、拒否権行使。
>助動しのmayは 50/50の可能性。willは80%以上の可能性をさします。
と言われるとおり、この表現だとすればイワノフ外相はかなり強い調子で拒否権行使に言及したといえるでしょう。
>「もちろん、もし拒否権を行使するとなると、それを行使する前にそれに伴う諸々の責任について完全に理解する必要がある。拒否権行使は、あくまで、国際平和と安定性確保のためにのみ使うことができる」
ただこの補足的発言は、「国際平和と安定性確保のためにのみ使うことができる」とより強調している一面と、
「行使する前にそれに伴う諸々の責任について完全に理解する必要がある。」と慎重さの一面もにじませ、ある意味逃げ道を留保しているとも受け取れるでしょう。
「拒否権」そのものについては、従来から民主的でないと疑問の声が上がっているので、
その行使を回避する場合の言い訳は割と説得力を持ちやすいということも気掛かりです。
しかし、今回の場合は一方でアメリカの横暴さと、安保理への過剰な圧力があるので、
私は拒否権を行使してでも武力行使決議を否決に追い込むべきだと思います。
また私がどうも信じきれない理由は、モスクワでのプーチン大統領の発言ではなく、イワノフ外相の発言であること、中国との協議後の北京での記者会見であること。
80%以上の可能性といっても、政治家の発言は天気予報のようなもので、新安保理決議までの間にどんな根回しが行われるかで、にわかに変化する可能性があるということです。
ロシアはチェチェン問題を抱え、中国は新疆過激派の問題があるといわれ、
今回アメリカがアフガン戦争のとき以上にそれらの問題に理解・協力を持ち掛ければ、
ロシア・中国ともイラク攻撃に対して拒否権だけは行使しないことが考えられるでしょう。
とくにロシア政府は劇場占拠事件での政府の失態を挽回するため、チェチェン独立勢力の掃討を計画中のようなので、かなり魅力的な話かもしれません。
しかしこんな理由から安保理決議が通ってしまい、イラク攻撃が行われれば、
今後「査察」という行為の意味が全く無くなり、
先制攻撃・政権転覆・大量殺戮などに国連が承認を与えることになり、
人類が越えてはならない一線を越え、歯止めが利かなくなります。
そうなればもはやパワーポリティクスで個々の紛争を論じることが通用する次元ではなく、
「理念」と「原則」の無い、無秩序な、弱肉強食の、陰謀うずまく世界となってしまうでしょう。
ロシアと中国は国内問題とイラク戦争の決議は別であることを明確に示し、
独仏ロ中が最後まで共同歩調をとって、せめて棄権ではなく反対を貫くことしか、
最低限、今後の国連の権威すら守ることはできないでしょう。
それが世界の国と世論の支持を集め、長い目で見てどれほど国益になるかを知るべきです。
またロシア外相が拒否権行使についてそこまで言った以上、実際に行使すべきです。
結果的に行使しないなら、そういう発言は控えるべきです。
万一、米英が金をばら撒くなど裏工作で安保理の過半数を押え、
採決が可決する場合、今回は仏ロ中のトリプル拒否権行使を期待します。
米英とその追従国が否決決議に反して攻撃を実行に移したとしても、
せめてこれら戦争不参加の国々が道義上、踏みとどまって、
一線を超えてしまった国々の現政権が倒れた後に、次に誕生する新政権と、
国連改革を含めて国際関係を修復していくしかないと思います。
「拒否権」を廃止するなら、恐喝や賄賂に対して透明性をもたせることと合わせた、
綜合的な国連改革が必要でしょう。