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(回答先: 米国務長官報告:対イラク新証拠 詳報その3 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 06 日 16:17:07)
★核兵器開発
我々は、イラクが遠心分離器などを使ってウラン濃縮を試みていたと考えている。99年と00年、イラク高官は製造機を入手するためルーマニアや、インド、ロシアなどと交渉した。ある企業は01年にもウラン濃縮に利用する遠心分離器用のアルミ管の獲得を試み、失敗している。フセイン大統領が核兵器計画のため、こうした機器獲得を重視していたことは疑う余地はない。
★ミサイル開発
我々は、イラクの弾道ミサイルの「アルサムド2」と「アルファタ」が、射程を150キロまでに制限した国連687決議に違反しているとみている。UNMOVICはイラクが「380SA―2ロケットエンジン」を違法に輸入したことも報告書で指摘している。
イラクは弾道ミサイルの射程を1000キロ以上にすることを狙っている。(発射実験場の写真を示し)左側の古い発射場は短距離ミサイル用、右側の新しいのは長距離用だ。右側の発射台は左の5倍の長さがあり、明らかに1200キロの射程を狙っている。この写真は02年4月に撮影されたものだが、その後実験場には屋根が設けられ、衛星写真では内部が把握できなくなった。イラクはミサイルに生物化学兵器だけでなく、我々が許せば核弾頭も搭載する。
さらにイラクは10年以上、さまざまな無人航空機を開発しており、最近は化学兵器の使用に適した、より小型化した無人航空機の実験に熱心だ。イラクが昨年12月7日に提出した申告書では、無人航空機の航続距離は80キロだが、我々はイラクの最新の無人航空機は500キロ、ノンストップで飛べると探知した。これは国連決議1441違反だ。
★アルカイダ等との関係
イラクと国際テロ組織「アルカイダ」との邪悪な関係についても報告したい。
イラクは、ウサマ・ビンラディンと関係の深いアルカイダの上級幹部アブムサブ・ザルカウィを支援している。ヨルダン生まれのパレスチナ人であるザルカウィは00年、アフガニスタンに戻って訓練キャンプをつくった。アフガニスタンのタリバン政権崩壊後は、毒物を扱うキャンプをイラク北部につくり、リシンの製造方法を研究した。
ザルカウィは02年5月に治療を目的にバグダッドを訪れ、2カ月滞在した。この間に20人以上の過激派がバグダッドに来てアルカイダの下部組織を作り、8カ月以上にわたってイラクで活動した。イラクは関係を否定するが、我々はこの拠点が定期的にザルカウィの部下や毒物研究者と連絡を取っていることを把握している。昨年、2人のアルカイダメンバーが逮捕されたが、彼らはバグダッドの機関と関係していた。
昨年10月にはヨルダンで米国人外交官が暗殺されたが、容疑者は金と武器をザルカウィから得たと供述した。ザルカウィの組織はバグダッドを拠点に中東だけでなく仏英伊独露などで活動、116人が逮捕された。
ザルカウィの仲間はチェチェンでも活動し、メンバーはロシア人を毒殺することを目的にしていた。
ビンラディンがスーダンを拠点にしていた90年代からアルカイダは反バグダッド活動を中断、イラク情報当局とアルカイダ幹部は密接な関係を持つようになった。90年代初めから両機関幹部は少なくとも8回は会っている。96年、ウサマ・ビンラディンはハルツームでイラク情報局高官と会った。
イラクはビンラディンのアフガニスタンの新拠点を訪問し続けた。亡命したフセイン大統領の諜報主任によると、フセイン大統領は90年代半ばに時々、書類偽造の訓練を施すためにアフガニスタンに係員を派遣。90年代後半から01年にかけて、在パキスタンのイラク大使館はアルカイダ組織との連絡係の役割を果たした。フセイン大統領による世俗の専制とビンラディンによる宗教的専制は交わらないと主張する人もいるが、野望と憎悪があれば両者を引き合わせ、アルカイダがイラクに大量破壊兵器に関する専門家を得るための援助を頼るのに十分である。
また、フセイン大統領と他のイスラム・テロ組織との協力の実績も明らかである。例えば、ハマスは99年、バグダッドに事務所を開設した。そして、イラクはイスラム聖戦が出席した会議を主催した。
拘束中のアルカイダ上級諜報員によると、ビンラディンはアフガニスタンのアルカイダの研究所が生物化学兵器を製造できるとは思っておらず、国外に援助を求めなければならなかった。そこで彼らはイラクへ行った。
フセイン大統領はこうしたテロ組織が名称を持つずっと前からテロの支持者だった。テロと毒物の組み合わせは目新しいが、イラクとテロとのきずなは古い。
地域支配の野望をいだき、大量破壊兵器を隠し、テロリストに安住の地と積極的支援を与える体制と向き合うに当たり、我々は過去ではなく現在と直面している。そして、我々が行動を起こさなければ、より紛争に満ちた未来に直面することになる。
★クルド人虐殺
フセイン大統領がクルド人に対して行ったマスタードガスおよび神経ガスの使用は、20世紀の最も恐ろしい虐殺の一つだ。これによって5000人が死亡した。フセイン大統領による87〜89年の反クルド人キャンペーンは大量の処刑や行方不明、無原則な投獄、民族浄化、約2000の村の破壊を伴った。フセイン大統領はシーア派イラク人に対しても民族浄化を行った。イラクは他のどの国よりも多く行方不明事件を引き起こしており、過去10年間に何万人もの人々がいなくなったと報告されている。
イラク国民や周辺諸国の人々に対する残虐行為ほどフセイン大統領の危険な意思を鮮明に指し示すものはない。フセイン政権はだれかが止めるまで立ち止まらないだろう。
フセイン大統領が大量破壊兵器を保有し続けると決めていることが分かった。9・11事件後の世界において、彼が大量破壊兵器を保持するのを放置し続けるという選択肢はない。我々は自国民や国連安保理に対して、イラクを安保理決議に従わせる義務がある。
[毎日新聞2月6日] ( 2003-02-06-14:44 )