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(回答先: 露特使:平壌で金総書記と会談 プーチン大統領の親書を伝達 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 20 日 21:33:07)
【モスクワ町田幸彦】ロシアのロシュコフ外務次官は20日、平壌で北朝鮮の金正日総書記と会談し、北朝鮮の核開発問題打開のため積極的な外交活動を繰り広げた。次官の平壌訪問には、東アジアでのロシア外交の重要性を印象付ける目的に加え、米朝協議を誘導し、朝鮮半島での米国の優位性に対抗する打算も働いている。ロシアには「不可侵」問題を取り上げることによって、米の「核の傘」体制を揺さぶる利点がある。
ロシアが北朝鮮に示した包括提案で最重要点は、北朝鮮が米国に要求する「不可侵」問題を掲げ、米国や関係国との対話を呼びかけたことだ。これは地上軍の侵攻だけでなく、北朝鮮側が「不可侵」の中に米の核攻撃を想定しているとロシア側は知ったうえで提案に盛り込んだ。ロシアの国益にかなうからだ。
消息筋によると、北朝鮮の朴義春(パクウィチュン)・駐露大使は昨年秋、ある非公式会合で、「北朝鮮はいまだに米国の核弾頭ミサイルの標的から外されていない。これは不公平だ」と述べ、北朝鮮の核兵器開発の正当性を主張した。大使は核開発断中止のために北朝鮮を核の照準にしない不可侵条約の締結が必要と述べたという。露政府内部には、こうした北朝鮮の見方に理解を示す流れが強くあった。
実はロシアにとって、北朝鮮の核開発はそれほど懸念材料ではない。露外務省は「憂慮」を表明したが、イワノフ国防相は12日、「北朝鮮の核拡散防止条約(NPT)脱退はロシアへの脅威にならない」と本音を語った。むしろロシアは朝鮮半島での米軍の核の存在と「核の傘」を重視し、何か風穴を開けられないかと考えている。そこにロシアが北朝鮮の「不可侵」要求に同調する核心がある。
冷戦崩壊後の90年代、米国はロシア、中国を戦略核ミサイル弾頭の照準にしない方針を表明している。その延長線上で北朝鮮にも同様の措置を、という論理だが、イラク、イランと並び北朝鮮を「悪の枢軸」と名指ししたブッシュ政権は容易に折れまい。「不可侵」をめぐる協議が米朝間であるにしても、米政府は核の照準などを議題にしないだろう。
[毎日新聞1月20日] ( 2003-01-20-21:21 )