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(回答先: 都銀貸し出しの減少幅拡大=1月 [時事通信] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 10 日 16:04:47)
銀行貸出残高の減少幅が大きいので驚きました。1年でこんなに銀行貸出が減少しているのか。これは「慎重な融資姿勢」といった水準ではなさそうです。急激な信用収縮としかいいようがない。
しかし銀行の行動には疑問を感じます。銀行業界が信用創造をほぼ一手に引き受けている情況下で、どの銀行も横並びで貸出を絞っているようです。しかし、主要な都市銀行等がこの調子で信用を収縮させているのは、どう考えても合理的な経済行動とは思えません。むしろ不合理極まりない愚行だと思います。
たぶん各銀行は「不良債権」予備群を減らすために信用を絞っているのだと思います。例えば一つの銀行Aが信用を絞って貸出を引き上げても、マクロの信用に与える影響は無視できます。この場合、銀行Aは、不良債権予備軍を減らすことができるので、その行動は合理的です。
しかし、主要都市銀行等がすべて信用を一斉に絞る場合は、まったく異なります。この場合には、世の中に出回る信用が急激に収縮し、企業の供給活動が著しく低下し、不良債権予備軍は倒産し、健全企業は不良債権予備軍となります。つまり、主要銀行が同一行動をとると、負のフィードバック、つまり信用収縮のスパイラルが始まります(もうその真っ最中なのかな?私がトロいだけなのか?)。自らの首を絞め、自らの墓穴を掘るこの愚行。
なんでこういう愚行を行うんですかね。自分の銀行だけは逃げきれるという自信があるのか?この希望的観測の源泉はどこにある?
合成の誤謬という言葉があります。一見分かりやすい言葉ですが、今回のケースにはあてはまりそうもありません。銀行の場合はプレーヤーが少なすぎるので、自分の行動が全体にどのような影響を与えるのか、容易に予見できるからです。つまり、主要メガバンクAが貸出を急激に絞って信用を収縮させるとどうなるか、容易に予見できるわけですね。これは「利己的行動」とは言えないでしょう。自分の行動の結果、自分の損になる方向に経済社会が動くことを確実に予見できますからね。こう考えると、銀行の行動は、説明のつかないただの愚行なんでしょうか?
この点を考えてみるのに、株式投資家が、えてして自分だけは儲かりそうに思う心理、バブル時に人よりも早く売り逃げできると信ずるその心理に似ているのかなあとも感じました。
それとも、良くいわれる政治向きの圧力のために、愚行とわかっていてもやるしかない立場なんでしょうか?でもやっぱり愚行は愚行ですよね。もし政治的圧力がなかったら、こういう愚行はやらないんでしょうか?
誰かお分かりの人がおられたら教えてください。