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(回答先: なぜ銀行は墓穴を掘るのか? 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 2 月 10 日 20:59:59)
すみちゃん、こんばんわ。
[貸し出し残高減少要因]
● 「貸し渋り」&「貸し剥がし」
「貸し渋り」は将来の不良債権発生を恐れた行動で、「貸し剥がし」は同じく不良債権化を恐れるとともに自己資本比率の嵩上げのために行われています。
(リスク債権を回収してゼロリスクの国債にすれば、自己資本比率が上昇します)
● 借り入れの繰上げ返済
デフレは債務負担の過重化をもたらすので、余裕キャッシュがある企業は、債務の返済に努めます。
(インフレ時のように、返済してもいいんだが、他で運用して儲けたほうがいいという発想もなくなります)
● 不良債権処理
毎年のように処理原資を確保しては不良債権を処理するということをやっていますから、その分は貸し出し残高が減少します。
>なんでこういう愚行を行うんですかね。自分の銀行だけは逃げきれるという自信があ
>るのか?この希望的観測の源泉はどこにある?
>合成の誤謬という言葉があります。一見分かりやすい言葉ですが、今回のケースには
>あてはまりそうもありません。銀行の場合はプレーヤーが少なすぎるので、自分の行
>動が全体にどのような影響を与えるのか、容易に予見できるからです。つまり、主要
>メガバンクAが貸出を急激に絞って信用を収縮させるとどうなるか、容易に予見でき
>るわけですね。これは「利己的行動」とは言えないでしょう。自分の行動の結果、自
>分の損になる方向に経済社会が動くことを確実に予見できますからね。こう考える
>と、銀行の行動は、説明のつかないただの愚行なんでしょうか?
銀行は、「竹中プロジェクト」で揺らいだとはいえ、政治と行政(金融庁&財務省)が救ってくれるという希望的観測をまだ持っているはずです。(旧大蔵省からの天下り経営者はゴマンといます)
産業再生法で不良債権を実質簿価で買いとってもらえることにもなります。
日銀の株式買取も、もっと対象枠が広がると期待しているでしょう。
銀行潰しの「竹中プロジェクト」の一方で、銀行救済策が動いています。
自身の行動がミクロとしては合理的でもマクロとしては不合理だということは、銀行にもわかっているはずです。
しかし、ミクロの合理性としても自己存続に的を絞った行動でしかなく、中小企業には貸し渋りや貸し剥がしをしても、実質破綻状態であっても巨額の貸し出し残高がある企業に対しては追い貸し・債務免除を行っています。
巨額不良債権を表に出せば、自己資本比率が規制を下回るからです。
このような行動はデフレ不況でなければある程度合理的ですが、デフレ不況下ではミクロとしても不合理です。なぜなら、利息収入が期待できる企業の貸し出しを回収し、いつかは不良債権処理しなければならなく企業に優遇策をとって収益性を悪化させ、個々は小さくても集積したら大きい中小企業の貸し剥がしを行って支援過剰債務の収益悪化にそれなりの影響を与えているからです。
愚行と言えば愚行ですが、存亡の危機にある銀行は、合理的な判断を行う余裕をなくしています。
> この点を考えてみるのに、株式投資家が、えてして自分だけは儲かりそうに思う心
>理、バブル時に人よりも早く売り逃げできると信ずるその心理に似ているのかなあと
>も感じました。
> それとも、良くいわれる政治向きの圧力のために、愚行とわかっていてもやるしか
>ない立場なんでしょうか?でもやっぱり愚行は愚行ですよね。もし政治的圧力がなかった
>ら、こういう愚行はやらないんでしょうか?
「竹中プロジェクト」が愚行に拍車をかけたことは事実ですが、それがなくても愚行を続けたはずです。
銀行は自分だけはなんとか助かりたい一心で動いているので、そのあおりが自分ではなく他に及ぶことを願うだけという感じでしょう。