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東京 2月5日(ブルームバーグ):みずほホールディングスの臨時株主総会が5日午前10時から都内で開催されている。カード会社などのグループ企業が参加する新たな金融持ち株会社「みずほフィナンシャルグループ(FG)」の年度内の設立のほか資本増強に向けた優先株式の発行、資本準備金の取り崩しなどの議案を議論しているもようだ。
みずほHDの広報担当者によると、総会は予定通りに午前10時から始まり、冒頭、前田晃伸社長が、今年度の業績が大幅な赤字に陥ることや普通株式が無配になることを深く、陳謝した。午前11時40分現在、継続している。出席株主は約1500人。
質疑応答では、株主から株価の低迷や計画している1兆円の資本調達が可能なのか、懸念する声が挙がった。前田社長らは、資本増強策について、優先株の具体的な発行条件は今後、詰めることになるが、市場(の相場)に近い形で調達したい、と述べた。引き受け要請先には条件交渉などを通じて、理解を求めていく考えを示したという。
しかし、株主総会を途中で退席した東京都内の中小企業幹部、松井清彦氏(49歳)は、ブルーグバーグ・ニュース記者の質問に「がっかりした。もっと前向きな話をすると思った。中小企業への貸し出しを増やしたいといったが、私の所属する会社の融資は受け入れてもらえないという方向で動いている」と、みずほに対して厳しい意見を述べた。同氏はみずほ株を10株保有しているという。
みずほFGは3月12日に上場
みずほFGには、ユーシーカードやみずほ総合研究所、みずほキャピタルなどが新たに傘下に入る予定。現在のみずほホールディングスは銀行・証券部門を統括する中間持ち株会社となる。再編に伴う株式交換などを経て、みずほFG株式が3月12日に東京証券取引所などに上場する。
みずほは1月21日、不良債権処理や株式含み損の処理などを大幅に進めるため、2003年3月期の連結最終赤字が従来見込みの約9倍の1兆 9500億円に拡大すると発表。同時に約3兆2000億円の資本準備金を取り崩す方針や、1兆円規模の自己資本調達計画を表明していた。
すでに株主に通知した優先株発行枠の内訳は、一定期間後に普通株への転換が可能な「転換型」と「非転換型」の合計で450万株(4兆5000 億円。優先配当率の上限は転換型を年5%、非転換は同10%とするが、実際にはこれよりり低くなる見通しだ。
株主総会での承認を受けて、みずほは優先株式の売却に本格的に動き出す。しかし、みずほは水面下で、有力な取引先に打診しており、筆頭株主である第一生命などが総会での決定を受けて、検討することをすでに明らかにしている。
また、日立製作所の八木良樹副社長は4日の決算発表の席上、「みずほグループから増資要請が非公式に来ている」と言及した。シャープの佐治寛専務も同様に「協力してくれないか、という話はあるが、まだ具体的な(増資手段となる金融)商品が決まっていない。(みずほが株主総会を開催して)決めた段階でどうしようかと考える」と指摘していた。
政策銀と契約、リスク資産さらに削減
みずほはこうした自己資本増強策を打ち出すと同時に、国際決済銀行(BIS)が定めている自己資本比率(国際的な展開を図る銀行は8%)を維持・向上させるため、貸し出し債権の証券化などを通じリスク資産の削減に取り組んでいる。昨年9月には、傘下のみずほコーポレート銀行が貸し出し債権1兆3000億円を担保に、債務担保証券(CDO)2420億円を発行した。
また、この取引では、担保債権の1兆円分について、日本政策投資銀行との間で、同行がデフォルト(支払い不能)リスクを保証するクレジット・デフォルト・スワップ契約(CDS)を、このほど新たに結んだことが明らかになっている。この結果、BISルールに従えば、1兆3000億円の資産は4000億円までに削減され、その分、みずほの自己資本比率を向上させる効果を発揮している。
みずほHDの午前終値は前日比1000円(0.79%)安の12万5000円。再編に伴ってみずほHD株式は3月6日で上場廃止となる。