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東京都が大手金融機関を対象に導入した外形標準課税(銀行税)条例を巡り、銀行17行が都と石原慎太郎知事を相手取り、課税取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。森脇勝裁判長は銀行税を違法として、都に、銀行側が既に納付した2か年度分の約1600億円の返還を命じた。
ただし、1審が命じた銀行側への損害賠償の支払いは認めなかった。
初年度納付分の返還と賠償支払いをともに命じた1審・東京地裁判決に比べ、銀行側の一部逆転敗訴となったが、銀行税の違法性が重ねて認定されたことで、石原知事は今後、厳しい財政運営を迫られそうだ。
都は、「銀行が利益を上げながら、不良債権処理で所得を減らし、法人事業税を納めていない」として、2000年4月、法人所得ではなく、不良債権処理の損失を差し引く前の業務粗利益に課税する条例を施行した。銀行側は「大手銀行を狙い撃ちにした不公平税」と反発し、同年10月に提訴。東京地裁は昨年3月、「条例は地方税法違反」との判決を言い渡し、都、銀行側双方が控訴していた。(読売新聞)