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(回答先: デフレ下「国債バブル」 収益確保迫られた銀行が殺到【朝日新聞】 投稿者 ご破算に願いましては 日時 2003 年 1 月 29 日 16:28:46)
28日、10年国債の利回りが98年10月以来の0.775%を付け、20年債、30年債の利回りがかつての10年債レベルまで低下してきた。当然のことながら、「債券バブル」、「行き過ぎ」論が出る。しかし、UFJつばさ証券・金融市場調査部長の斎藤満さんは、「ことはそう単純ではなさそうだ」と語る。欧米を中心に、主要国ではみな同じように債券、とりわけ国債への投資が高まっているからだ。「日本だけが債券バブルに踊っているわけではない」
<国際商品市況の上昇のなかで、世界的な債券シフト> 斎藤さんは、「この世界的な債券シフトが、国際商品市況の上昇のなかで起こっているところに注目したい」と言う。従来、国際商品市況が上昇する状況では、インフレ期待から長期金利は上昇する傾向にあった。しかしこの1年、CRBが25%上昇したにも関わらず、インフレ期待は全くと言ってよいほど生じていない。商品市況を押し上げている最大の要因は金価格の上昇であり、次いで原油価格、プラチナ、銅、ニッケル、などの鉱物資源だ。「いずれも戦争懸念や関連の需要増を見込んだもの」であり、ヘッジファンドが値上がりを見込んで資金を投入しているとも言われる。
<投資家は世界経済のデフレ化を強く見ている> こうした動きと全く同時に、世界の投資家は主要国の国債投資を活発化させている。中東という「インフレ格納庫」のような地域で戦争懸念が高まっているのは確かだが、「それ以上に世界経済のデフレ化を強く見ている」ということである。さらに、米国では10年で6740億ドルもの減税プランが提示されたんばかりだ。当然、双子の赤字を懸念する声が上がっており、米国内にもにも財政赤字の拡大に否定的な論調が増えている。それだけ国債需要の悪化を懸念する声も挙がっている。「それでも米国債は買われ、長期金利は低下している」
<日米欧の経済にのし掛かる「大きな重石」> 裏を返せば、米国景気にしても欧州経済にしても、それだけ大きな重石を抱えており、「インフレ懸念が生じて引き締めに転じる可能性がほとんど視野にないことを示唆している」と言う。それも、景気が短期循環的に悪化しているだけなら、ここまで長期金利の低下は進まない。「より大きなデフレ・マグマにより、デフレが長期化し、蔓延するとの見方があるのではないか」。中国などからの供給の高まり、IT供給過剰のみならず、日米という世界の1位、2位を占める経済がバブル崩壊によって自らデフレ圧力に直面しているのに加え、米国の巨大な不良債権の一部が欧州の保険会社などに伝播し、ここでもバランスシート問題が波及してしまったことが大きい、と見ている。
<一層の流動性供給と同時に、為替切下げ競争のリスクも> 今後、日米金融当局を中心に一層の流動性供給が予想される。世界規模の需給に大きな変化をおよぼすような事態が生じない限り、日本だけが長期金利の持続的上昇に入ることは、およそ考えにくいとして、「0.775%と言う水準は、単なる通過点にすぎない」との見方を示す。同時に、米国も巻き込んだ為替の切り下げ競争に至るリスクもある、と言う。28日、新財務長官に任命されたスノー氏が、米上院でのヒアリングに際して、「ドル高は米国の利益」を表明したが、市場はもはやドル買いに向かわなかった。