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　国有化回避に必死の抵抗を続けるみずほなど“３弱メガバンク”にいよいよ審判が下る。竹中平蔵金融・経済財政担当相率いる監視チーム「金融問題タスクフォース」が２２日から始動し、来月早々には金融庁が特別検査に着手する。資産査定の厳格化など不良債権処理のほか、相次いで打ち出された増資計画を厳しくチェックする構えで、まだまだ銀行国有化をあきらめてはいない。

　「みずほが２兆円もの巨額赤字に転落するのは、あれほど猛反発していた竹中金融相の超ハードランディング路線に屈したため。そういう意味では、金融相の思惑通り進んでいるといえる」

　金融庁関係者は、こう指摘する。

　みずほフィナンシャルグループは２１日、業績の下方修正と１兆円の増資計画を発表した。

　米国方式のディスカウント・キャッシュ・フロー（ＤＣＦ）の導入よる引当金の積み増し、含み損を抱える株式の売却、税効果会計で自己資本に繰り入れている繰り延べ税金資産の減額…。

　いずれも、竹中金融相が打ち出した金融再生プログラムに盛り込まれた内容である。

　プログラム作成の際、税効果会計などは、前田晃伸みずほホールディングス社長が「３０兆円の資産圧縮が必要」と恫喝し、銀行と与党の大逆襲で先送りに追い込んだ案件である。

　そこまで恭順の意を示すみずほだが、竹中金融相はまったく手を緩めるつもりはないようだ。

　２２日に始動する“竹中監視軍団”のタスクフォースは、中原伸之前日銀審議委員、川本裕子マッキンゼー・シニア・エキスパートら６人の有識者で構成する。

　金融庁の特別検査とも連動し、資産査定が適当か、引当金は十分かなど不良債権処理の進捗（しんちょく）状況を厳重チェック。小泉内閣が掲げる「２００４年度までに不良債権比率を半減させる」との目標達成を迫る。

　竹中金融相は銀行監視の３原則として、「戦略性」「健全性」「誠実さ」を上げ、３弱メガバンクが打ち出した増資計画もチェックする構え。

　「目先の３月期決算を乗り切り、国有化を回避するためだけの数字合わせで、将来戦略が感じられない」（外資系証券）　「配当負担が重荷となり、収益向上を妨げる上、系列生保との資本持ち合いでは健全性は高まらない」（準大手証券）

　増資計画に対する市場の評価は辛辣で、監視チームが増資計画を問題視する可能性もある。

　さらに、監視チームは、銀行に対する「特別支援」にもかかわる。自己資本比率が８％を割り込むなど経営危機に陥った銀行を、公的資金の注入や日銀特融などで支援する枠組みであり、銀行国有化を意味する。

　増資により、国有化の危機は回避されたとの見方が多いが、「特別検査の内容次第では、まだまだ予断を許さない。監視チームの存在が国有化をあきらめていない証拠」（大手銀幹部）との声も聞こえてくる。

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