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「次期日銀総裁人事に関して言えば、ここへ来て小泉首相のハラはほぼ固まったとみていいだろう−」
官邸中枢スタッフがこう言ってみせる。
そしてそのことをうかがわせる重要なエピソードがあるという。
昨日(1月21日)夜、小泉純一郎首相は首相官邸で記者団を前に、与野党内に急浮上してきたインフレターゲット導入論をとらえてこう発言した。
「(仮にインフレターゲット政策を導入して)インフレになれば、このインフレをどうしてくれるんだ、というマイナスの声ばかり出てきますよ−」
この発言を額面通りに受け止めるならば、小泉首相はインフレターゲット論に否定的な立場をとっていると見ることができるだろう。
そして、小泉首相はさらにこう続けたという。
「私はインフレターゲットという言葉を、これまで一度も使ったことがない。(物価上昇率)ゼロを目指して、日銀総裁がいろいろと努力をしている。私としてもあらゆる手段(をとること)を考えるが、インフレターゲットとは違う」
「実はこの日、この一連の発言が行われる前段で、小泉首相は官邸で宮沢喜一元首相と会談を持ったのですが、その中でインフレターゲット論に関するやり取りが行われているのです」(前述の官邸中枢スタッフ)
この日のコメントに登場する“やり取り”(大要)とは、以下に示すようなものだったという。
まず宮沢元首相がインフレターゲット論に関してこう言及した。
「(インフレターゲット政策については)その副作用も考えなければいけない。安易な導入は、国債の暴落につながるだろう」
この宮沢発言を受けて小泉首相はこう応じたのである。
「その点については、よく分かっているつもりだ」
宮沢元首相はさらにこうたたみかけた。
「インフレ発生時の苦しみがどれ程のものだったのか、よく思い出すべきだ。インフレターゲットを設定しようとする動きに乗ったらとんでもないことになる−」
小泉首相はこうした指摘についてもこう応じた。
「まさにその通りだ−」
この一連のやり取りは、まず第一義的には与党内で高まりつつあるインフレターゲット政策導入論を意識したものだ。
「しかし昨日の官邸での一連の“やり取り”は、次期日総裁人事に大きく影響を与えることになるのは間違いない。インフレターゲット政策の導入までは求めないが、今以上の金融緩和の実施については強く求めていく、というのが小泉首相の日銀に対するスタンスだ」(官邸中枢スタッフ)
こうした状況を踏まえるならば、次期日銀総裁人事についても絞り込まれてくるのではないだろうか。
つまりズバリ言って、小泉首相がインフレターゲット政策の導入については否定的なスタンスをとっている福井俊彦富士通総研理事長(元日銀副総裁)を、次期日銀総裁に指名する可能性が極めて高いと見るべきだろう。
しかし、小泉首相にとってはまさに“盟友”ともいえる山崎拓自民党幹事長が、与党内においてインフレターゲット政策導入の旗振り役を務めているため事態はいささか複雑だ。
「あとはいかに山崎幹事長を納得させるかだ−」(官邸中枢スタッフ)
2003/1/22