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国有化より外資提携で大ばくち!? 米大手投資銀行のゴールドマン・サックスを引き受け先に15日、約1500億円の増資を決めた三井住友フィナンシャルグループ。国有化回避へ外資の手を借りる“危険な賭け”だが、高配当の負担に加え、優先株の普通株への転換で経営権を奪われるリスクも抱える。巨額出資の裏には、ゴールドマン側の大きな野望も透けてみえる。
多重債務者が資金繰りに窮し、危ない高利の融資に手を出し、さらに窮地に追い込まれる話はよく耳にするが、三井住友にとって今回の増資策は危険な賭けでもある。
今回の増資では、三井住友が議決権のない「優先株」を発行し、これを約1500億円でゴールドマン側が引き受ける。
三井住友は自己資本比率(昨年9月末で10.37%)を0.48ポイント押し上げ、国有化を回避できるという算段なのだが、そろばん勘定では1枚上の外資、ゴールドマンにとって安い“買い物”だ。
優先株の配当利回りは年間4.5%。この超低金利時代、銀行が企業や個人に貸し出して稼ぐ金利は平均でわずか約1.8%だから、完全な逆ザヤ。配当は25年間も固定で、重い配当負担がのしかかる。
平成11年の公的資金注入と引き換えに、国が所有する優先株の利回りが最高でも1.4%。「血税である公的資金より、外資への配当利回りが約3倍もあるのはおかしい」と国保有の優先株の配当引き上げ論が噴出する可能性もある。
ゴールドマンの優先株は、最短で2年後には議決権のある普通株に転換できる。現在の株価で全株を転換した場合、ゴールドマンは、7%を保有する筆頭株主に躍り出て、三井住友の経営権を握ることもできるのだ。
特筆すべきは、ゴールドマンが欧米で行う優良企業向け貸し出しなど与信業務に対し、三井住友が最大で21億ドル(約2500億円)を保証するという条項である。
貸し倒れなどの損失を三井住友が尻拭(ぬぐ)いするというものだが、欧米でも不良債権問題が表面化しており、リスクは小さくない。
「不平等条約と言ってもよいほど足元を見られた契約」(金融担当アナリスト)との見方も出るほど、ゴールドマンにとってはいいことずくめだが、ゴールドマンの狙いはそれだけではない。
前出のアナリストは「最大のターゲットは、三井住友が持つ個人営業網だ」と指摘する。
約1400兆円とされる日本の個人金融資産だが、タンス預金や郵貯などが中心で、リスクの高い投資には慎重である。
米大手証券会社のメリルリンチも日本に上陸したが、個人顧客の開拓は失敗している。「ゴールドマンにとって、三井住友を通じて“宝の山”である個人資産にアクセスする道筋ができた」(同)というわけだ。
旧住友銀行は昭和61年、ゴールドマンに資本参加し、一時は持ち株比率は10%を超えていたが、昨年度までに三井住友はゴールドマン株をすべて売却している。
今後はゴールドマンが三井住友を“救済”する形で、バブル後の「失われた10年」を経て、日米経済の立場が完全に逆転してしまった象徴的な事例となりそうだ。
UFJも不良債権処理会社にメリルリンチから1000億円の出資を受けるなど、国有化回避に向け、外資と手を結ぶケースが今後も増えそうだ。
すべてハードランディング路線を進める竹中平蔵金融・経済財政担当相のシナリオ通りに進んでいるのだろうか。