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(回答先: 西武百貨店、最大2000億円の金融支援要請へ [朝日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 19 日 15:05:58)
「いよいよ不良債権処理の加速策に絡んで“株式未公開企業問題”が浮上してきた。昨日(12月18日)表面化した西武百貨店を巡る一件も、この文脈で考えていいだろう。この“株式未公開企業問題”の中で、銀行関係者の間で取りざたされている企業は、西武百貨店の他に、秀和、国際興業といったところだろう」
大手都銀経営中枢幹部がこう言ってみせる。
こうした“株式未公開企業”は、その名が示す通り、発行株式が上場されていないため、これまでマーケットリスクのワク外に置かれていたのが実情だ。
「つまり自社の株価変動リスクにさらされていないため、その経営状態が注目されることが少なかったのです。しかし西武百貨店が単体ベースで約3200億円もの有利子負債を抱えていることからもわかるように、株式未公開企業とはいえ、不良債権処理問題の中での位置づけは決して低くありません」(前述の大手都銀経営中枢幹部)
ここへ来て、西武百貨店問題が急浮上してきた背景には、メガバンクの中で唯一の“勝ち組”とされる東京三菱銀行の動きが大きく影響している、というのが金融関係者の一致した見方だ。
「実は、西武百貨店との間に与信取引のある東京三菱銀行が同社債務者区分を、“破(は)綻(たん)懸念先”に落とす方針を固めたというのです。とはいえ、西武百貨店の経営・財務内容を冷静に判断するならば、東京三菱銀行がこうした措置をとるのも当然と言えるでしょう。しかし、来年2月に実施が予定されている金融庁の特別検査が及ぼす影響と、東京三菱銀行の動きが重なり合うと、そのことがもたらすインパクトは非常に大きい、と言わざるを得ません−−」(前述の大手都銀経営中枢幹部)
西武百貨店が、特別検査の対象企業の1つにカウントされるであろうことは、ほぼ間違いないとみていいだろう。
そして注目すべきなのは、この特別検査によって西武百貨店の債務者区分がどのように変化するかだ。
「西武百貨店は、旧セゾングループの不動産デベロッパー、西洋環境開発を清算処理するにあたって巨額の損失を発生させた経緯がある。この結果、西武百貨店の自己資本は約15億円程度の水準にまで落ち込んでいる。その一方で前期決算(平成14年2月期)においては、107億円の最終赤字を計上している。また、今期決算についても見込み薄、というのが実情だ。しかも店舗不動産等のめぼしい資産もすでに売却済み。このままの状況では、特別検査の結果を待たずとも、同社は厳しい状況に追い込まれていただろう」(大手都銀役員)
にもかかわらず、これまで西武百貨店の名前があまり取りざたされなかったのは、同社が株式未公開企業だったからだ。
「こうした株式未公開企業の問題は、2月の特別検査の焦点の1つになってくるだろう」(金融庁幹部)
結論から先に言えば、西武百貨店については、特別検査を待つことなく、メーンバンクを中心とした金融支援策がまとめられ、経営再建計画が策定されることになるだろう。
「それでも、安易な債権放棄の実施は世論の反発を呼ぶことになる。そこで、西武百貨店が全面的にバックアップする形で経営再建途上にあるそごうとの合併が浮上してきたのです。この構想では、“業界再編”にも資する、という大義名分は立つ−−」(大手都銀役員)
さて、西武百貨店問題の行方には要注目だ。
2002/12/19