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「デフレ克服」より「景気回復」?――15日諮問会議要旨
「デフレを克服すると言うよりも、景気を良くしようと言った方が国民には分かりやすい」。
塩川正十郎財務相は15日の経済財政諮問会議で、デフレ対策と景気対策を同意義にとらえて議論する最近の風潮に疑問を呈していたことが20日、内閣府が発表した議事要旨で明らかになった。
この発言を受け、議長の小泉純一郎首相も「デフレ下の繁栄というのが結構あったという」と興味を示し、説明を求めた。これに対し「良いデフレはない」と主張してきた民間議員の本間正明 阪大教授は、デフレの下では債務者の実質的な負担が増え、税収減にもつながることを指摘し、「デフレの時は実体面でも経済が収縮する傾向にあるのが歴史的事実だ」と強調した。
一方、同じく民間議員の牛尾治朗・ウシオ電機会長は「中国やインドなどの大量生産で世界的に過剰供給になると最後は全部デフレになる」と指摘、デフレは世界的な傾向であり克服は容易でないとの認識を示した。そのうえで、企業も政府も構造改革で生産性を高める「減収増益」型の運営を進めることで「デフレの中での繁栄について真剣に取り組むべきだ」との持論を展開した。
最後に竹中平蔵経済財政・金融担当相は「(デフレの)克服は難しいが、これができないという議論は専門家の議論から離れている」と述べ、本間氏に近い考え方を示した。
社債発行、じわり増加 収益懸念・企業不信後退
【NQNニューヨーク=渋谷淳】18日のニューヨーク債券相場は続伸。米国株の下落を受け、午後に上昇に転じた。経済指標の発表がなく、景況感に目立った変化はみられない。米国債の売買は全般に低調で、市場の関心は増え始めた社債の発行やその消化状況に向かった。15日はJPモルガン・チェースなどが社債を発行。株式に対する出遅れ感を背景に、社債投資を見直す動きが続いている。市場筋によると、18日の社債発行は総額で40億ドル近くに達した。週初としては異例の多さだ。14日に米消費者金融大手のハウスホールド・インターナショナルを英銀大手のHSBCが買収。前週後半には流通市場で社債と国債の利回り差が急速に縮小した。収益懸念や企業不信から国債との利回り差が拡大していた社債を中心に見直し買いが広がったためだ。発行環境の好転を受け、企業も資金調達に動きだした。
「社債売り・国債買いの持ち高を膨らませていたヘッジファンドなどが社債の買い戻しに動き、不祥事銘柄など国債との利回り差が大きい銘柄ほど買われている」。ある米債運用者が最近の社債市場の回復をこう解説してくれた。縦軸に利回り差、横軸に社債の信用度(格付け)を配置したクレジット・イールドカーブ(利回り曲線)は前週、右肩上がりの曲線の傾きが急速に緩やかになった。
クレディ・リヨネのエコノミスト、マイケル・キャリー氏は「社債と国債の利回り差縮小は企業の調達コスト低下を通じて経済にプラス」と話す。米連邦準備理事会(FRB)によると、銀行の商工業向け融資の減少傾向は続いており、慎重な融資姿勢もあって企業の資金需要は低迷したままだ。調達コストが低下すれば、企業が待機資金を設備投資や自社株買いに振り向ける可能性も高まる。
ただ、JPモルガンの発行した10年債と米国債との利回り格差は1.75%。同じシングルA格の既発銀行社債と米国債との差は1.1―1.2%程度で、利回りの上乗せ幅は厚い。バークレイズ・キャピタルの米国マーケットストラテジスト、ジェンマ・ライト氏は「増えだしたといっても発行額はなお少なく、本格的な回復とは言えない」と話していた。米国債から社債への資金移動もまだ限定的のようだ。
クイックより