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(回答先: 米国単独のイラク攻撃に反対するためには 投稿者 日時 2003 年 2 月 17 日 21:03:17)
イラク攻撃に協力しない限り、ドイツやフランスのレベルを超えたブッシュ政権との対立は避けられません。
経済だけの問題であれば、まったく無考慮に不支持・非協力を打ち出しても構わないと思っています。
しかし、戦後顕著なように、米国は、異様な価値基準を普遍的正義だと錯誤し、それに照らしてOKであれば対立国家を攻撃することも躊躇しないという恐ろしい政治支配層によって統治され、国民にもその価値観が強く浸透しています。
ですから、100%相手の責任と認定される交通事故で殺された後で家族が相手が悪いと叫んでも虚しいのと同じで、米国にとって不穏当な対応をして不測の事態を招き、“国民の生命”が失われるようなことは極力避けなければなりません。
(経済がどうのこうのというのは二の次三の次で、「安全保障」を第一義的に考える必要があります。日米対立が即座に自衛隊などのクーデタを誘発することはないと見ていますが、内部事情をよく知らないので確信はありません。今回はCIAがイラク攻撃に慎重な態度(=反対)を採っているので、イラク攻撃不支持が不穏な動きを誘発することはないとみています)
「 」さんが書かれている内容の国会決議を踏まえながら、「これまでの認識とはやや異なるが、米国の対応は理解できるが性急にすぎると判断した。残念だが、現状ではイラク攻撃への支持と協力はできない」とブッシュ政権に説明し、同時に、表に出さない形で約束済みの資金負担を履行することや財政赤字の一定限度をファイナンスすることを確認します。
(約束済みの資金負担は、政府日銀保有の米国債をチャラにするかたちがいいのですが、イリーガルな方法は無理でしょうね)
資金協力を人質にして安全保障をはかる戦術です。
表に出さないとしてもいつかは晒されることですから、イラク復興名目で拠出するかたちにします。もちろん、実質は戦費の負担協力になります。
ブッシュ政権は建前として民主主義を尊重しているわけですから、怒り心頭だとしても実は採れるわけですから、言葉はともかく行動として過激な反応は示さないと予測しています。(言葉による非難も、北朝鮮の恫喝プロパガンダに較べれば穏和なものです)
本当の難民対策費用などは、国際機関を通じて別途負担することになります。
このような姑息な対応が諸外国の非難や侮蔑を呼んでも、これまでのツケですから、甘んじて受けるしかありません。
>どうやって米国(民)の怒りを和らげますか?
これについては、ほとんど心配していません。
政権の怒りが、メディアを通じて、国民の怒りであるかのように宣伝されるでしょうが、国民の多数は、イラク攻撃を支持しない日本に不満を持つ程度で怒りにまでは高まらないと見ています。
米国民の圧倒的多数は建前である国家の独立性や民主主義を尊重していますので、米国でも記者会見を開き理由をきちんと説明すれば、裏切り者日本という声はごく少数に抑えられます。
前にも書きましたが、ブッシュ政権の政策を支持しないことは別に「反米」でもないし、これから数年後のブッシュ政権への米国内での評価がどのようなものになるかも定まっているわけではありません。
ブッシュ政権が米国に不幸をもたらす存在だったという評価になれば、米国民にとって、ブッシュ政権に反対した国が正義となり、賛成した国が悪と見られるようになります。
(ベトナム戦争のように先進国がこぞって支持していた政策であれば、このような識別は生まれませんが、今回のように先進国の対応が大きく分裂した政策であれば、“逆恨み”も出てきます)
将来のことはわかないのでそのような事態を期待することはできませんが、きちんとしたイラク問題認識に基づき、国際規範にのっとった判断をすることが、間違いなく中長期的には好ましい日米関係の維持につながります。
イラク占領が短期で成し遂げられたとしても「バスに乗り遅れた」とおたおたしないことです。
アフガニスタンで米国は勝利することができませんし、イラクを占領しても安定的な維持は不可能ですから、米軍兵士に犠牲者が出るようになれば、現在レベルをはるかに上回る反戦行動が沸き起こります。
>米国市場から追い出された後、どうやって食っていきますか? もしかしてカルタゴ
>のように滅ぼされませんか? 日本国民は納得しますかね?
米国市場から追い出される事態も想定はしなければなりませんが、金融及び農産物を含めた現在の日米相互依存関係に照らせば、通商関係が断交状態になる可能性は極端に低いと考えています。
日本の単独行動ではないので、戦前のような日本包囲網が形成されることもありません。
9・11以降、「米国製品購入」の宣伝は強まっていますが、貿易実績を見ればわかるようにそれほどの影響はありません。(米国民の多くはどこの国の製品だという意識をあまり持っていません)
日本の強みは、赤字のファイナンスや農産物輸入などで米国経済に大きく寄与していることです。
財は代替がありますが、アラブ諸国が対米不信に陥っている現状では、米国に還流できる余剰ドルを大量を保有している国家は日本しかありません。
外貨準備をユーロに切り替えたり、農産物の輸入をアルゼンチンなどに切り替える覚悟をもって交渉に臨めば、経済的損失は少なく抑えられると考えています。
日本がファイナンスしなければ、米国は現在のGDPを維持することもできません。
戦争を遂行しようとしているブッシュ政権が、それを支持しないからといって日本と刺し違えるかたちで日本を封じ込める策を採ることはないでしょう。
しかし、日米通商関係が維持されるとしても、不支持表明でギクシャクしたことを「金を貸して買ってもらう」という依存構造を修正するチャンスと捉え、主体的に交易構造を変える努力をすべきです。
(主体的には取り組まない“体質”なので、米国が腹立ちまぎれに限定的な“経済制裁”を実施してくれるといいと冗談半分に思っています。米国が全面的な通商関係断絶を行えば、短期的には苦しみますが、ドラスティックな構造改革につながるはずです)
イラク攻撃不支持が70〜80%のようですから、財界や“保守”政治家を別にすれば、日本国民の多数は納得するはずです。
日米安保条約は、日本から廃棄通告するではなく、米国が廃棄するかたちにすべきです。
イラク攻撃不支持表明は、短期はともかく、戦後政治経済構造の歪みを取っ払う絶好のきっかけになると思っています。
逆にイラク攻撃支持に走れば、政治的にも経済的にも大きく低迷することになります。
(実質協力であっても、不支持を表明することが重要です)
リアルな政治の問題をつきつけられたと思いましたので、いじましく姑息な対応策をない知恵を絞って書いてみました。
※ 日本政府は米国支持に前のめりになっていますが、それは自縄自縛につながるだけではなく、不支持を打ち出したときにより大きな反発を招くことになります。
政府は、微妙に言動を軌道修正することで、最後の最後で不支持も打ち出しても予測された事態だと思われるムードをつくっていくことが肝要です。