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イラク攻撃反対が国際世論の主流となり、これまでのような米国支持論が通用しなくなるなかで、日本が米国を支持すべき根拠として「北朝鮮脅威論」を持ち出す動きが出てきている。
このような論に対しては、仮に北朝鮮が現実的な脅威だとしても、理性のかけらさえない恥ずべき妄言だと断ずる。
北朝鮮の脅威に対抗するために頼れるのは米国だけだから、米国のイラク攻撃を支持すべきだというのは、「よその国に対する攻撃を支持する(加担する)ことで自国への攻撃を避ける」という論法である。
戦前の日本は、朝鮮半島がロシアの支配に置かれれば日本の安全が脅かされることになると主張し、朝鮮を保護国、そして、ついには併合に踏み切った。
これについては、日本とロシアのあいだの勢力争いであり、日本と朝鮮の外交及び軍事の力関係で決したことだったと正当性を主張することもできるだろう。
なんにしろ、日本が直接相手国と対峙して達成するか挫折するかの問題である。
しかし、米国主導のイラク攻撃支持の理由として「北朝鮮脅威」を持ち出すのは、朝鮮併合の正当性主張には較べることができないほどの暴論である。
似たような例をあげれば、殺人鬼によって窮地に追い込まれた個人なら、「死にたくないのなら、あいつを殺すのを手伝え」と脅され、仕方なく従ったとしても非難する気にはならない。
しかし、それが権力機構を持つ国家であれば、次元が異なりまったく別の判断となる。
もしも、日本政府が「北朝鮮対抗」を言い訳として米国支持を打ち出したら、まともな国々や諸国民は、怒りを通り越して侮蔑の念を日本に対して持つだろう。
断言させてもらうが、「北朝鮮脅威」を楯とした米国支持論は、侮蔑的に用いられている“一国平和主義”論よりも下劣で、品性も理性もない暴論なのである。
イラク攻撃を支持しなければ日本防衛の条約上の責務を果たさないと米国が言うのであれば仕方がないではないか。
日本のもてる外交・軍事力を駆使して、北朝鮮の脅威に対処するしかない。
そして、軍事力で対応できないと判断するのなら、外交力を総動員してことにあたるしかないのである。
(今でも必要なことだが、米国に北朝鮮との直接交渉を働きかけることも含まれる)
自立して対応できないというのであれば、日本は、他国を生け贄にすると同時に独立国家の看板を降ろすべきである。
愛国主義や国家の尊厳を主張する人が「よその国に対する攻撃を支持することで自国への攻撃を避ける」ような論を持ち出すのなら、思想倒錯の極みであり、人としてもカスである。
このような亡国的妄言ならば、べたべたの反戦平和主義のほうが比較にならないほどまともである。
ないとは思っているが、在野ではなく、日本政府が、「北朝鮮脅威論」を楯に米国支持を打ち出したら、どのような謗りや侮蔑の言葉を浴びせられようとも耐え忍ぶしかしない。
※ 北朝鮮脅威論や日米関係については下記書き込みを参照してください。
『“北朝鮮騒動”を将来の言い訳に使わないよう公明党に一言いっておこう』
( http://www.asyura.com/2003/war23/msg/897.html )
『日米安全保障体制の虚実』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/236.html )
『北朝鮮カードは既に押しつけられています』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/234.html )
『“確信親米派”は好きです(笑)』
( http://www.asyura.com/2003/war23/msg/266.html )
『Re: 奴隷として協力するとババを押しつけられるぞ』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/217.html )