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「たこです」さんへ;議論・雑談4へのレスです。
投稿者 如往 日時 2002 年 11 月 17 日 08:48:08:

(回答先: 売り家と唐様で書く三代目 投稿者 たこです 日時 2002 年 11 月 17 日 05:28:05)

 「たこです」さん、こんにちは。
 ご回答有難うございます。


 さて、日本(人)を擁護すべく歴史を探索したと申し上げましたが、結果として遺憾ながら失意に駆られることのほうが多かったのです。その途上では石原莞爾の『戦争論』も一理あるのかなと思われ、一時は満州事変の位置付けまでもが転倒してしまったものでした。 (「たこです」さんは手にされたどうか判りませんが、話の種としては面白いかも知れません。余談ですが、多分書記長氏はかなりの石原党ではないかと密かに想像しています。)

 戦後や日本については多くの人々がそれぞれの熱情(その源泉の多くは各々のルサンチマン)をもって語っています。福田恒存、小林秀雄、吉本隆明、西部邁等がその代表格でしょう。勿論、表現者として明治期から西欧との擦りあわせに腐心した夏目漱石や後の三島由紀夫等の業績、さらに、内村鑑三や新渡戸稲造等キリスト教者による日本にたいする再評価の試みや小泉八雲の『神の国日本』への憧憬を見逃すことはできません。 ( 但し、現代の、西尾幹二、小林よしのり、福田和也等の言説は神話を追認するfictionalなものとして評価に値しないと考えています。しかし、彼等の内なる日本を擁護したいとの心情は理解できない訳ではないのですが、未来に向ってのプラスのエネルギーには転化し得ぬと捉えています。)

 あっしら氏は、「たこです」さんに投じたと同じように、『自らが時宜に応じて国家構造や国家価値観の転換をできないというほど日本国民は、英国国民や米国国民より劣った人たちから構成されているのですか?』と、今でも自問自答されているのではと想像しています。私などは阿修羅サイトにはまだ3ヶ月余の新参者ですが、あっしら氏の以前の投稿(studies)を辿ってみるのも一興であると思います。すると、氏の自問自答もなるほどと頷ける個所にも突き当たること請け合います。

 ところで、「たこです」さんにとってドイツ国民に関する理解はさらに深耕させていく必要を感じます。何故ならドイツの歴史は日本より峻烈な他国支配と被支配の繰り返しです。その中で、例えば多くのドイツ国民(特に統合後の西ドイツ国民を中心に)は、ヒトラーを容認した自責を連綿と問うて来たはずです。そうでなければ、たとえ今日の経済発展状況がそれを可能にしたとはいえ、今頃になって当時の軍需関連企業に対して戦争被害諸国民への新たな補償を命ずる決議を成立させることにはならなかったでありましょう。

 奇しくも私は半世紀以上前の日本という国に生まれました。そして、厳密に云えば今この情況にある日本という国に引き続き暮らしています。嘗て、ロマン・ロランは『私が人間に生まれたのは必然である。しかしフランスに生まれたのは偶然に過ぎない。』と語りましたが、これは自我の萌芽と即時的に起こり得る対自化、すなわち反省(省察)のある到達点と位置付けられると思います。つまり、ロマン・ロランにとっては世界内存在としてのフランス(国民)を定立していく出発点に、言わば個人にとっては自我の確立の出発点に立つことと同義なのですが、残念ながら私達日本人はこのプロセスを有し得ない、ないしは個別的にも捨象したまま今日に到っているのです。

 終戦時、昭和天皇ご自身が退位されたいとの意思があったかどうか、真実は今も詳らかではありません。人間宣言を掲げての国内行幸には先生に促され国旗を打ち振り出迎えの列に並んだ記憶がありますが、今となっては早い時期にご退位を決意されたほうがよかったのではと思われます。つまりは、退位さえご自身で決められなかったという印象ばかりが、日本人の不決断と重なって鮮明に映じてしまうとは、果たして私だけの感慨でしょうか。
 他のスレッドでは天皇の系譜に関する論考が華々しく展開されていますが、そこそこの興味をもって眺めています。何れにしても、私はローマ法王や天皇もその他の王も少なくとも象徴としての歴史的役割をその多くが既に終えていると見ていますので、国民が国の未来を展望しようとするとき、その存在の様態が如何ほどの根拠となり得るか疑念を覚えています。ですから、これまでにも繰り返して来たように、寧ろ日本(人)はそれらを手放すかあるいは封印して自決・自立の道を探求すべきと考えています。

 (「如往」というハンドル・ネームについて : 僧職にはありませんです。かくの如く来たれるものが「如来」ならば、我々生類(衆生)はかくの如く往くものであろうと考えています。市井に世過ぎをたくしている身として、「正覚」には成れなくとも「覚有情」ではありたいとの願いを「如往」に込めております。)

 また寄せさせていただきます。

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