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「日本政府が終戦時に帰国への道を閉ざしたうえ、帰国後も十分な自立支援措置を取らなかった」として、中国残留日本人孤児637人が20日、政府を相手に、1人あたり3300万円(総額約210億円)の損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。原告は国内にいる残留孤児の約4分の1にあたる。差別と生活苦に直面することを余儀なくされた実態を訴えていくという。
訴状によると、国には孤児の帰国と自立を援助する法的義務があったのに怠ったとして、国の不作為の違法性を主張している。具体的には、国は(1)終戦時に旧満州(中国東北部)にいた民間人の定住策をとり、帰国の道を閉ざした(2)59年に戦時死亡宣告制度を定め、孤児が中国に残留していることを認識しつつ、戸籍上「死者」として扱い放置した(3)現在も十分な教育や支援をしていないと訴えている。
孤児の中には、こうした「棄民政策」の結果、日本への引き揚げができず、文化大革命時には日本人という理由で迫害を受けた人もいる。帰国後も、国が日本語などの教育をするのはわずか4カ月間(88年からは1年間)で、中国では教師やエンジニアだった人も職が得られずに苦しい生活を送っている、という。
今回の訴訟に加わったのは、関東地方を中心とした1都7県の53〜73歳の孤児。637人のうち、約半数が生活保護の受給者だという。
また、原告弁護団は、孤児が高齢化している実情を踏まえ、原告のうち40人を分離し、「先行訴訟」と位置づけて審理の迅速化を目指す。
中国残留孤児の訪日調査が始まったのは、72年の日中国交正常化から9年後の81年になってから。その後、33次にわたる訪日調査をへて、約2400人が帰国している。 (12:02)