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09/24 18:07 アジアと政治対話の機運 欧州に米外交への違和感 外信57
【コペンハーゲン２４日共同】欧州とアジアの距離は、欧米間と
比べてまだはるかに遠い。だが軍事超大国の道を突き進むブッシュ
米政権への違和感を底流に、欧州でもアジア諸国との対話の機運が
生まれている。
欧州とアジアの距離は今年、大きく縮まった。サッカーの日韓共
催ワールドカップ（Ｗ杯）の効果は絶大だった。米国ではサッカー
は盛り上がらない。欧州は、アジアが、米国は加わらないサッカー
という世界のお祭りを、一緒に楽しんでくれる相手であると分かっ
た。
アジア欧州会議（ＡＳＥＭ）にもサッカーと似たところがある。
ＡＳＥＭは、米国が参加しない珍しい国際会議だ。
欧州ではフランスやドイツはもとより、英国でも一部にかなり根
強い「対米協調疲れ」や「嫌米感情」がある。こうした気分が、米
への複雑な思いを共有してくれそうなアジア諸国との政治対話に、
目を向けさせている。
ＡＳＥＭ首脳会議に参加した欧州連合（ＥＵ）のプローディ欧州
委員長は二十三日「米政府とＥＵはイラクと国際司法裁判所につい
て意見が異なる」と語った。朝鮮半島問題への取り組み方も違う。
地球温暖化防止の京都議定書、弾道弾迎撃ミサイル（ＡＢＭ）制
限条約、イスラエルの占領地撤退を求めた国連安保理決議…。ブッ
シュ政権は欧州が重視する国際合意をことごとく軽視している、と
ＥＵ諸国の指導者には見える。
東アジアの経済急成長への関心から発足したＡＳＥＭは、アジア
経済危機でいったん勢いをそがれた。だが昨年の米中枢同時テロ後
、国際社会の関心が経済から政治・安全保障に急傾斜したことで、
ＡＳＥＭに新しい役割が生まれた。
欧州とアジアの対話はまだ緒についたばかり。米大統領が参加し
ない会議のインパクトは残念ながらあまり強くない。対米協調のブ
レア英首相が欠席し、事実上「米英抜き」となった今回の会議を、
米英メディアはほとんど報じていない。
しかし、米英首脳の意向だけで世界が動くのを望ましいと考える
人は、無論、米英以外にほとんどいない。ＡＳＥＭ首脳会議は「国
際テロ」との戦いでの国際法や国際合意順守を明確に打ち出し、米
国の一方的外交にくぎを刺した。
議長国デンマークのラスムセン首相は「ＡＳＥＭサッカー大会」
案をぶち上げた。欧州側には、軍事、経済、さらに「留学生まで」
（同首相）米一極に集中する現状を、アジアとの協力で少しでも補
正したいという思いがある。
（了） ０２０９２４ １８０６
[2002-09-24-18:07]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。