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09/24 15:48 反体制派は「広報用」 見えぬフセイン後の青写真 外信61
共同
対イラク攻撃で焦点の一つとなるのが反体制派勢力の存在だ。ア
フガニスタンでは、北部同盟がイスラム原理主義のタリバン政権打
倒の実動部隊となり、暫定政権の柱にもなった。だが、イラクの反
体制派は米国の戦略の中で、より微妙な役回りを演じている。
「われわれの共通の目的はイラク国民の解放だ」。今年八月、ワ
シントンでパウエル米国務長官が居並ぶ反体制派六組織の指導者ら
に語り掛けた。指導者らはチェイニー副大統領、ラムズフェルド国
防長官らとも会談し、イラクのフセイン政権打倒に向けた共闘を確
認、報道陣の前で米国との結束をアピールした。
しかし、軍事作戦の中身やフセイン後の政権の受け皿といった具
体的なことは何も話し合われなかった。六組織は北部のクルド人、
南部のイスラム教シーア派、亡命軍人などで、民族も宗教も利害関
係もバラバラ。軍事的にも米軍の有効な助けにはなりそうにない。
それでも、米国は彼らとの関係構築に力を注いできた。
「彼らは゛広報用″の反体制派だ。イラク人が米軍の攻撃を求め
ていると国連や国内世論に訴え、攻撃の正当性を得るのが米国の狙
い」と中東調査会の中島勇・中東情報センター長は解説する。
有事の際、米軍を支援できる有力な軍事力を持つ勢力はあるのか
。イラクの反体制派の動向に詳しいジャーナリストの勝又郁子さん
は「イラク軍をいかに反体制派に寝返りさせるかが鍵になる」と分
析する。米軍の攻撃と相前後して軍やバース党などの現体制中枢か
ら反乱が起きるシナリオだ。
事実、米国は相当数の造反者が出ることを織り込んで作戦を立て
ている節がある。米紙ワシントン・ポストによると、米情報当局者
は、攻撃が始まればイラクの精鋭部隊、共和国防衛隊の将校らも寝
返ると予測している。
だが一方で、フセイン後に誰が政権を受け継ぐかという青写真は
一向に見えてこない。各勢力とも「とにかく一枚かんでおけば、発
言権が保てる」と考えているのが現状だ。「決まっているのは、民
主主義を打ち立てるということだけ」とイラク専門家は語る。(共
同=木村一浩)
(了) 020924 1548
[2002-09-24-15:48]