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09/24 18:25 自治めぐる駆け引きへ移行 スリランカ和平交渉 外信60
共同
タイ中部のサタヒップ海軍基地で九月十六日から三日間の和平交
渉に臨んだスリランカ政府と少数派タミル人武装組織「タミル・イ
ーラム解放のトラ(LTTE)」は交渉の継続で合意した。LTT
E側は「求めているのは民族自決権が認められた地域自治」と述べ
て、「独立」から「自治」をめぐる交渉に移行する歩み寄りの構え
を見せた。
分離独立という「名」よりも大幅な自治権の確保という「実」を
取ろうとするLTTE側に対し、政府側は「独立阻止」だけは譲れ
ない。LTTE側が主張する教育権など自治権の内容と範囲が今後
の交渉の焦点になりそうだ。
多数派シンハラ人の支配に対抗してLTTEが武装闘争を開始し
たのは一九八三年。兵力に勝る政府側にLTTEは自爆テロで抵抗
、十九年間で双方の死者は六万人以上に上った。
内戦で同国への観光客は激減。国民の約四割が貧困状態にあると
される。国民のえん戦気分と疲弊した経済立て直しの必要性が、双
方を直接交渉の席に着かせた最大の要因だった。
交渉終了後の記者会見でLTTEのバラシンハム政治顧問は「独
立の夢を捨てるのか」との質問に対し「LTTEは分離を望んでい
ない」と発言。欧米メディアはこれをとらえて「LTTEが独立の
要求を取り下げた」と報じた。
しかし同時にバラシンハム氏は「教育など自治が拒否されれば、
残る選択肢は独立しかない」「武装解除に応じるのは時期尚早」と
も繰り返した。「いつでも武器を取る用意がある」という、威嚇と
もとれる発言だ。分離独立を放棄したかどうかは明言しなかった。
スリランカ北部、東部のLTTE支配地域にはタミル人による警
察や行政機関などが既に存在し、事実上の自治圏を形成している。
この既成事実を背景に、政府側と国際社会からタミル人統治の承認
を得て、独立国家に近い自治権を確保したいというのがLTTE側
の戦略だ。
一方、政府側は「分離独立は認めない」との姿勢を崩していない
が、軍事的にLTTEを完全に圧倒することができないことも事実
。一定の自治権付与には柔軟姿勢だとされる。
政府側代表団を率いるペイリス憲法問題相は「(LTTE側と)
信頼関係を築くことができた。一回の交渉ですべての問題を解決す
ることはできない」と述べ、交渉の継続を率直に喜んだ。(サタヒ
ップ共同=佐藤親賢)
(了) 020924 1824
[2002-09-24-18:25]