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(回答先: 朝鮮統一後も米軍駐留を 米シンクタンク提言〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 20 日 21:51:53)
訪米中だった川口外相が、先週講演し記者会見した場所が国際戦略研究所(CSIS)だった。
韓国政府の対北朝鮮政策も、日本政府と同じように、米国政権に縛られたなかで決定されることだから、形式的な朝鮮統一は米国政権次第で一気に進むことになるだろう。
統一は、ドイツ型ではなく、南と北がそれぞれ主権国家として並立するかたちの“神聖ローマ帝国”未満(皇帝なし)と思われる。
韓国は、経済的には日本の資金で北朝鮮のインフラと経済活動力が整備されるのを待つし、政治的には「キム総書記時代以降」の変化を見届けるはずだ。
北朝鮮も、韓国に経済援助は期待しても、政治的統合は望まない。
形式的な朝鮮統一は、それで十分だし、異なる価値観を基礎とする地域体の一つの統合モデルケースになる可能性もある。
中国政府は日朝国交回復を建前としては歓迎しつつ本音は行く末を案じているはずと前にも書いたが、このような提言が米国有力シンクタンクから出されると、中国政府は、米国による“中国包囲網”形成を危惧せざるを得ないだろう。
米軍駐留継続の理屈付けに「日本問題」が使われているのも、中国政府にとっては余計に不気味だろう。
「統一後の朝鮮半島が日本にもたらす最大の課題は反日感情の高まりだとして、重要な同盟国である日韓の和解を促すことが米国の利益につながる」と説明しているが、戦後アジアで、日本・韓国・北朝鮮・中国のあいだにパズルのような“分断政策”を持ち込んだのは米国である。
>地域の安定のためには、規模などに柔軟性を持たせた上で朝鮮半島に米軍を継続して
>駐留させることが重要と指摘するとともに、統一によって米軍の部隊構成や地位の変
>更を行う場合は日韓両国と綿密な協議が必要と強調。この処理を誤ると、在日米軍撤
>退要求などを招き「アジアの米国の地位に破壊的な影響をもたらす」としている。
「韓国内での反米感情の低減に努めることが重要」と認識しているのなら、朝鮮半島から撤退するほうが賢明だろう。
しかし、朝鮮半島からの撤退は、日本における米軍撤退要求の高まりを誘発することになり、「アジアの米国の地位に破壊的な影響をもたらす」恐れがある。
アジアからのドミノ的撤退を避けるためには、朝鮮半島に居座るしかない。
>また、日本にとって「最悪のシナリオ」は、反日感情が強まった統一後の朝鮮半島と
>中国、ロシアが領土問題などを契機に協調、日本の利益に対抗することだと指摘した。
日本は、「敗戦責任」を明確にするとともに、北朝鮮に対して経済協力を行えば、「反日感情」の噴出を避けることができる。
中国やロシアが、日本のように、北朝鮮経済支援をすることはできないのだから、そのメリットを最大限活かすことが肝要である。
国際戦略研究所(CSIS)がせっかく今後の日本外交に重要な助言を与えてくれたのだから、それを活かさないのはもったいない。
戦前の国策ではないが、外交力をもって、朝鮮半島を現代風にどう日本寄りにしていくのかが重要な外交テーマである。
「敗戦責任」を明確にできなければ、このような視点も、それを実現するためのまっとうな外交政策も生み出せないだろう。
朝鮮半島情勢の変化は、米国の属国状態から少しずつ脱却していく好機である。
※ 川口外相とは言わないが、外務省高級官僚は、CSISの“思想”と政策をたっぷり注ぎ込まれたんだろうな。
松尾元室長と共同名義でクルーザーを所有していていながら「外務省を変える会」にも加わっていた岡本行夫氏(元外務省北米1課長)も同席していたら、大笑いだ。