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(回答先: CSISと外交問題評議会の関係は? 投稿者 わからんのです 日時 2002 年 9 月 21 日 08:00:29)
直接の回答にはならないので申し訳ありませんが...
CSISと外交問題評議会の関係は定かではありませんので、他の詳しい方のフォローを待ちます。
米国の21世紀「朝鮮半島政策」と「対日政策」:
21世紀の「朝鮮半島政策」と「対日政策」は、W.ブッシュ政権が成立する以前から作成されていた。
その中心は、安全保障政策グループのボスとも言われるアーミテージ(現国務副長官)である。
現政権(当時はクリントン政権第2期)に縛られない「チームB」として位置づけられた。
(カーター政権時代には、父ブッシュCIA長官が「チームB」を率いていた)
1999年春に政策提言書『北朝鮮に対する包括的アプローチ』を公表した。
この提言作成プロジェクトは、アーミテージとともにコアとしてロバート・マニング外交問題評議会アジア研究部長が音頭をとり、民主党サイドから、カート・キャンベル国際戦略研究所(CSIS)上級副所長(クリントン政権国防次官補代理)らが加わり、共和党サイドから、チェイニー副大統領を過去にサポートしていたポウル・ウルフォウィッツ(現国防副長官)と父ブッシュ政権で国防総省日本部長や国家安全保障会議(NSC)アジア部長を歴任したトーケル・パタソンらが加わるという超党派体制であった。
この他、独立系知日派のマイケル・グリーン外交問題評議会上席研究員・日米経済専門家のエドワード・リンカン・ブルッキングス研究所上席研究員・90年代半ばまでCIA東京支局長だったケント・ハリントン・連邦議会共和党のダン・ボブ・ウィリアム・ロス上院議員政策顧問・連邦議会民主党のフランク・ジャヌージ上院外交委員会シニア・スタッフらが関わった。
1999年10月に発表された政策提言書『米国と日本 −成熟したパートナーシップに向けた前進−』は、ほぼ同一のメンバーが朝鮮半島政策提言の延長線としてまとめたものである。
その内容は、アジア太平洋地域をいつ戦争が起きても不思議ではない“不確実地域”と捉え、「西側同盟の重要なパートナーとして冷戦に勝利し、アジアにおいて民主主義新時代への扉を開き、経済繁栄への手助けをした」日米関係が、この10年間で「冷戦勝利でともに戦うべき相手を失い、実際にはまだ脅威や危険が去っていないのに漂流してきた」ことを深く憂い、新たな同盟政策が必要であると日米関係の強化(再新構築)を訴えている。
新たな同盟関係の目標を、「大西洋における特別な同盟関係である米英をモデル」にした、日米間の単なる「バードン・シェアリン(負担の共有)」ではなく「パワー・シェアリング(力の共有)」としている。
提言は、ずばり、「集団的自衛権を行使せず」という日本政府のこれまでの立場が「同盟関係発展の制約要因となっている」と指摘している。
提言のなかでは、日本の政治分析として、「政権党である自民党は、過去10年、党内分裂や伝統的な支持層である利権集団との衝突を繰り返し、いまや衰える力を維持することだけに汲々としている」と捉え、「野党も十分に練られた信頼するに足る政策の選択肢を提示できていない」と判断し、「結果として自民党が政権にしがみつくという構図になっている」と披瀝している。
そして、「仮借ない国際経済のグローバル化によって経済の構造改革を迫られた日本の政治は、いずれ変革を余儀なくされるであろう」と予測し、政官財の「鉄のトライアングル」を形成してきた権力構造の変動が起こることで、「日米関係を再活性化させるチャンスを引き出し得る可能性がある」と期待している。
そのような変革の担い手は、「より現実的な視点を持った若い世代の政治家たち」だと結論づけ、「今の政権指導部が、長期的視野に経って短期的な苦痛を受け入れるとは思えず、本気で改革に取り組むとは考えられない」とも見ている。
若い世代は、これまでのように経済力だけでは日本の未来は切り開けないと考え、国家主権の新たな尊厳を自覚し、「今後の日米関係を構想する上でこの意識の変化は大きな意味を持つ」と指摘している。
そして、日米同盟関係を“英米同盟”的関係に変えていくための具体的提案として、
1) 尖閣諸島を含む日本領土防衛に対する米国の再コミットメント
2) 97年の日米防衛協力ガイドラインの実施に必要な法の整備
3) 国際テロや犯罪に対応するための両国陸海空三軍の緊密な協力体制
4) 日本の国連平和維持活動参加制限の緩和
5) 米軍の危機対処能力を維持した上での在日米軍基地の削減
6) 日米軍事企業間の戦略的同盟関係の構築
7) 日米ミサイル防衛(TMD)協力の促進
などを示し、さらに、インテリジェンス(情報活動)面での日米協力を促進することを提案している。
※ ブッシュ政権成立後現在に至る日本の政治動向と照らし合わせれば、アーミテージグループがまとめた提言内容が徐々に現実化されていっていることがわかる。