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書評 アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか
「アメリカは自分たちの利益を保護するために独裁者を後押しし、麻薬王と手を組み、過激派を育てることも厭(いと)わない。自由や民主主義といった大義の裏で国益を追求する」−。米外交政策の根本原理を探るため、若手国際ジャーナリストの著者が米国立公文書館で文書の山と格闘し、たどり着いた答えだ。
本書は、米国が第二次大戦前に独ヒトラー政権を支援した歴史から米外交史を掘り起こす。
ソ連への対抗策と欧州経済への主導権掌握のため、ドイツ財界と結んだ米財界エリートは、ヒトラーらを援助。大戦中は反戦運動をあおり、米国の大戦参加を遅らせることでドイツを助けた。
冷戦下での米国は、各地の共産主義政権転覆やソ連に「ベトナムを与える」ためにアフガン内戦を演出、国際政治の舞台裏で秘密工作を展開した。ウサマ・ビンラーディン氏は、こうした過程で米CIAが産み落としたといえるという。政治・経済・諜報(ちょうほう)のエリートらを主役にした米外交裏面史。
(菅原出著/草思社・一七〇〇円)