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【エルサレム小倉孝保】
シャロン・イスラエル首相は8日夜(日本時間9日未明)、米国から帰国し、治安担当閣議を招集した。閣議はテルアビブ近郊で7日に起きた自爆テロを受けてパレスチナに対する報復策を協議し、テロ掃討のための軍事行動を取ることを承認した。イスラエル軍部隊が8日夜からパレスチナ自治区ガザ周辺に集結しているとの情報もあり、近くガザ侵攻が行われる可能性も出てきた。
閣議は4時間以上に及び、新たな作戦の詳細について協議した。閣議が出した声明によると、「テロ掃討作戦」について首相、国防相に一任したという。ただ、詳しい作戦内容は不明だ。
イスラエル・メディアによると、閣議開催と並行して多くのイスラエル軍部隊がガザ周辺に集結、政府の正式指令を待っているという。
同軍がテロ掃討を目的に3月末以来、1カ月余り続けた「守りの壁」作戦は、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区を対象にしていた。ガザへ本格侵攻すれば、イスラエルが自治区全域に作戦を拡大することになる。
イスラエル治安当局は、イスラム原理主義組織「ハマス」が犯行声明を出した7日の自爆テロについて、犯人がガザ出身者だという情報を得て、政府に報告した模様だ。しかし、軍消息筋などによると、大量のパレスチナ難民を抱える人口密集地ガザで、ハマスを含むパレスチナ人武装勢力を徹底掃討するのは西岸以上に困難だという。エジプトとの国境に近いガザ南部で武力衝突が激化した場合、エジプト軍との緊張を高める恐れもあり、侵攻は局地的になる可能性が強い。
一方、同メディアによれば、ブッシュ米大統領はシャロン首相との会談で、アラファト・パレスチナ自治政府議長を名目だけの指導的地位に置いたまま、自治政府改革を行うことで議長の一極支配を弱める考えを説明した。シャロン首相はこれに従い、早急な議長追放の動きに出ない方針に切り替えた模様だ。