★阿修羅♪
 ★阿修羅♪
戦争11検索
次へ 前へ
ヘロデの呪い―暴かれたユダヤ古写本 投稿者 訳者解説 日時 2002 年 4 月 29 日 02:26:46:

(回答先: 赤ちゃん 投稿者 パレスティナ 日時 2002 年 4 月 29 日 01:05:38)

ヘロデの呪い
暴かれたユダヤの古文書


解説


 フリーメーソンの謎の中でもっとも不可解なのが、「起源」にまつわる謎だ。本書
はその謎に終止符を打つかもしれない驚嘆すべき暴露である。
 近代フリーメーソンは、一七一七年六月二四日に、社会的名誉職として特権階級を
成していた、行動的メーソン(ようするに石工)の組合を統一する、英国大ロッジの
結成をもって発足したといわれている。この新メーソンは、自由、平等、博愛に基く
理想の精神的神殿(世界普遍宗教の理想世界)の建築を究極目標とし、それまでの石
工の組合とはまったく異質な思想集団として、思弁的メーソンを名乗った。変化の中
心的役割を果たしたのがバラ十字。結社には、多くのオカルティスト、錬金術師、学
者、文人、貴族、新思想に傾倒する宗教者が加入した。

 この辺のありきたりな話については、その関係の本を読んでいただきたい。どの本
にも似たり寄ったりだ。

 本書はこれら表の歴史を相手にするものではない。表の歴史は事実の半分に過ぎな
いのであり、もう半分は歴史の裏に隠されたままなのだ。なにごとにも表と裏がある
の諺通り、本書には、およそ誰も予想しなかった、メーソンの起源にまつわる裏の歴
史事実が、証拠資料として提示されている。

 これは研究書ではない、二〇〇〇年来古代メーソン創設者の子孫に受け継がれてき
た、ヘブライ語世襲文書からの翻訳なのである。

 今から二〇〇〇年前、正確には一九六〇年前のAD四三年に、ユデアの地を支配して
いたヘロデ・アグリッパという王がいた。幼児イエスを殺すためにベツレヘム一帯で
幼児虐殺を行なったヘロデ大王の孫で、神殿の復興にもっとも力を注いだ人物だ。新
約聖書(使徒行伝)にはアグリッパ1世と2世の二人が出てくるので、混同しないでほ
しい。ここで言っているのはヘロデ・アグリッパ一世である。

 このヘロデの宮廷に、宰相ヒラムが現れるところから古文書は始まる。ヒラムは当
時多くのユダヤ人が改宗しつつあったキリスト教を撲滅することを目的に、極秘組織
の結成を王に進言する。ここに秘密会議が開かれ、石工結社『秘密の力』が誕生した
という。

 創設メンバーに名を連ねたのは、ヘロデ、ヒラムほか九人のユダヤ人エリート官
僚。各々は厳密な秘密主義の下、AD43年に始まる結社の議事録、起こった歴史的事
件の記録、指令等を含む極秘歴史書を、子々孫々に伝えることになった。

 この歴史書には、世界史にも記載されていないことがたくさん書かれている。結社
は、ユダヤ教を守るという名目の下に、保守的ユダヤ人を続々取り込み、キリスト教
徒を殺戮する極秘の軍団を編成した。組織結成の時期と動機を隠し、威信を増大させ
るために、年代を1000年昔に遡らせ、ソロモン神殿の建造者、ヒラム・アビフを
創始者に仕立てた。古来の神秘主義と象徴で外側を粉飾し、多くの階級と秘伝式を設
けて、階級を上がる度にさらに拘束の力を強化。死の誓約に束縛されたメンバーは、
命がけで秘密を守り、キリスト教徒との戦いを遂行した。その間の生々しい記録が記
載されている。

 結社はエルサレム(ヘロデの地下神殿)を中心に、各地に地下神殿(テンプル)を
造り、勢力を拡大するも、同族を殺し合う事件を契機に勢力を弱め、ついに崩壊寸前
に至る。そんななか、17世紀末に、ある子孫が結社の復興を願って動き出す。

 彼らは、のちに近代メーソンの創始者とうたわれるようになった、アンダーソンと
デザギュリエに接触、復興計画を打ち明ける。ここに、組織復興のための秘密会議が
開かれるが、双方の利害が折り合わず決裂、写本は奪われ、古代メーソンの子孫の一
人、レビは暗殺されてしまう。キリスト教を撲滅してユダヤ教による世界支配を至上
目標とする古代メーソンの主張が、プロテスタント指導者であったアンダーソンとデ
ザギュリエのそれにかみ合わなかったものと見られる。

 この奪われた写本に記されていた、古い規約と象徴を下敷きにして近代メーソンが
結成された。本書は、この暗殺されたレビの子孫、ローレンスが明らかにしたもので
ある。

 門外不出であるはずの、この驚くべき歴史資料が明るみに出たのは、ローレンスの
先祖(ヨナ)が、クリスチャンの婦人と結婚し、ユダヤ教から改宗したことに始ま
る。彼は信心深い妻の感化を受けて、結社の思想の呪縛から目を覚ますが、それゆえ
殺される。その子孫はヨナの遺志を継いで、歴史書の公表を志し、ついにローレンス
のときに好機が訪れる。彼は、ブラジルのモライエス大統領の仲介で、大統領秘書官
で言語学者のアワド・カウリーと出会い、翻訳出版する計画を実現するのだ。大統領
は推奨の言葉を述べている。

 「メーソンリーの起源についての、執拗な研究者であり読者である私たち三人が、
今、この巻物を手にしている。それを読み分析したこの私が、自らの研究と調査に基
づき、その真実性を確証し、その翻訳と刊行を推奨する」

 自らもメーソン33階級だったカウリーは、長年メーソンの起源について調べを進
めながらも果たせずにいたが、この歴史書との出会いに衝撃を受け、メーソンを脱出
して本書の翻訳と出版に踏み切った。

 私がこの本の存在を知ったのは、アメリカ人修道士Dからの情報が最初だった。

 「フリーメイソンとして1717年以来知られている秘密結社の形成の本当の目的
は、アワド・カウリーによって1917年に明らかにされるまで、最初の創設者の九
人の直系の子孫にしか知られていなかった。ヘロデ王の記録の9つのヘブライ語の写
しの一つが、1897年に、リオデジャネイロで明るみに出た。それはベイルートで
長年検証され、一九一七年になって、ようやく公表された。アワド・カウリーがそれ
を出版した。この男は33階級の最高位のシュライナーに受け入れられてから、フ
リーメイソンを放棄したのだ」

 情報によれば、この本は、彼が世話になったフランシスコ会神父で、メキシコにい
るガッツェ神父が復刻しているとのことだった。この人は、70年代から80年代にメキ
シコの幻視者として有名だった修道女ポルタボースの指導司祭で、フランシスカン・
ミニム修道院長、自らも十数か国語に通じる言語学者である。すでに亡くなってい
て、原本は入手できなかったが、コピーを入手できたのは幸いだった。(コピーには
本書に関わった人々の写真も含まれていたが、仕上がりが悪く、再現できないのが残
念だ。)

 なぜ、神父がこのようなメーソンの貴重な奥義書に接したのかは分からない。だ
が、神父は、カトリック教会に密かに入りこむメーソンの触手を、各情報源から知ら
され、晩年をその解明にかけたといわれている。それは、神父と文通をしていた私の
知人から聞かされたことである。

 常識人で、何より信仰を旨とするガッツェ神父は、世にいう各種陰謀説を、最初は
まったく相手にしなかった。だが、第二バチカン公会議以後、教会の形態を根底から
覆す革命が続々起きてきたことが、研究の大きなきっかけになり、ついに、キリスト
教会を取り巻く陰謀の存在を確信したという。その中で、この貴重な資料に出会った
のだ。

 私は、この本を食い入るように読み、すぐに翻訳に取組んだ。メーソンの起源がヘ
ロデ王に遡るなどという話は、一度たりとも聞いたことがない。だが、この新たな観
点から聖書を見直してみると、裏付けとなる事実が各書に記載されていることが判明
した。

 聖書には、確かに、ヘロデ・アグリッパがキリストの使徒らを殺しまくっていた事
実が記載されている。聖ヤコボはアグリッパによって剣で首をはねられた。使徒、聖
ペテロもアグリッパによって牢獄につながれたが、天使の助けを得て脱出した。任務
を遂行できなかった看守はアグリッパに殺された。(使徒12章に記載)

 イエスはこのような暗示的な言葉を言っている。

 「家を建てる者たちの見捨てた石。それが隅のかしら石になった。これは主のな
さったことだ。私たちの目には、不思議なことである。私はあなた方に言います。神
の国はあなた方から取り去られ、神の国の実を結ぶ国民に与えられます。また、この
石の上に落ちる者は粉々に砕かれ、この石が人の上に落ちれば、その人を粉みじんに
飛ばしてしまいます。」(マタイ21:42)

 家造りとは文字通り石工としてのメーソン。神殿を造り世界制覇しか考えないユダ
ヤ人のことだ。彼らが捨てた石が、隅のかしら石になったとは、キリスト自身をさし
ている。ユダヤ人が捨てたキリストが、本当の神殿―天国―の礎になるという意味だ
ろう。

 一方、使徒パウロは、結社の未来に関して、預言的な言葉を述べている。

 「誰にも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起
こり、不法の人、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないからです。彼は
すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに敵対し、その上に自分を高く上げ、
神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。彼がその定められたときに
現れるようにと、今引きとめているものがあるのです。『不法の秘密』はすでに働い
ています。しかし、今は引き止めるものがあって、自分が取り除かれるときまで引き
止めているのです。」(Uテサロニケ二3―7)

 「不法の秘密」とあるが、これは「不法の秘密結社」を指した言葉ではあるまい
か。パウロがこの言葉を記録したのはAD40年代末、結社、「秘密の力」がもっとも
隆盛を極めていた頃である。「滅びの子」とは、いわゆる聖書預言において、世界終
末に至って人類を家畜同然に支配するといわれる、「反キリスト」のことである。秘
密の力の延長線上に、反キリストの世界帝国が垣間見えるということか。

 聖書の預言を知らない人には理解が難しいかもしれないが、「反キリスト」につい
ての預言は、誰もにとっても非常に重要だ。それは今の世界の動きに深く関係する。

 パウロは「彼はすべて神と呼ばれる者、礼拝される者に敵対する」と書いている
が、黙示録では、すべての人類を金融で支配し、造反者を皆殺しにすると書かれてい
る。現代的に表現すれば、全世界の金融、経済、政治、宗教を、「獣」と呼ばれるグ
ローバリズムに呑みこむ世界政府のことだ。国連はその予備段階と思われる。

 歴史書の注釈を行ったヨナは、古代メーソンは一七一七年に新メーソンという子を
生み、さらに社会主義という孫を生んだが、時代を経るに従って、子孫の数は膨れ上
がり、ついには世界から宗教と名のつくものを、すべて滅ぼすだろうと預言してい
る。ここには重要な示唆が含まれている。

 新メーソン結成後に、残忍な革命による世界支配を至上目標とする、メーソンを凌
ぐ秘密結社、イルミナティ(啓明結社)がドイツで結成された(1776年5月1
日)。それが非常に多くのメーソンをとり込んで以来、世界は無神論革命の嵐にさら
されてきた。フランス革命では、ジャコバン党の名をもつイルミナティにより、1夜
にして2000人の修道女が殺され、教会の祭壇上に自由の女神像が祭られ、恐怖政
治によってそれまでの王政は消滅させられた。

 イルミナティは、歴史的にはドイツ政府に禁圧され、文書を没収されたが、その時
までには、すでにイルミナティの思想に接木された啓明メーソンが誕生していた。指
導者らは諸外国に逃げ、異なる名称を使い分けつつ、その後も世界革命のための運動
を醸成した。ドイツ生まれの啓明メーソンのマルクスが創始した社会主義もそのひと
つ。それと対立構造にあるかに見える資本主義もそうだ。相反する陣営に世界を二分
して操る双頭戦略の典型である。社会主義インターは、ロシアでボルシェビキ革命を
起こし、ロシア正教を骨抜きにした。

 押収された文書から、イルミナティの革命計画が露見しているが、その戦略は「混
沌から秩序」(Ordo ab Chao)と呼ばれていた。革命により旧体制を滅ぼし、がれきの
中から、彼らの目的に合った新体制をつくりあげるというのである。世界統一政府を
目標とする彼らにとって邪魔になるのは、何より愛国心とそれに密着する保守的宗教
だ。

 日本もその犠牲者になったことをご存知だろうか。原爆によって奪われた数10万
人の無実の庶民のいのちとともに、日本人は愛国心も宗教心も同時的に破壊された。
今や、日本人は世界でも珍しいほど無宗教の民に成り果て、宗教がなくなった心の隙
間を、アメリカニズムという名の物質主義、友人や同僚を足蹴にして出世するメーソ
ン流の競合成功哲学、何でもひとつにしたがる霊的グローバリズムが埋めている。そ
れが日本人の霊性をいっそう堕落させている。

 日本に起こったことは、今後イルミナティが世界に対して行なうことの模擬実験
だったのではないかとさえ、私には思える。日本は核の破壊力を実験する上でも、
「混沌から新秩序」の方程式を試す上でも、格好の実験場になった。それは戦後50
年の動きと結果を見れば、一目瞭然である。霊的支柱を失った政治家はアメリカの飼
い犬同然に成り下がり、国民がどうなろうと二の次だ。

 アメリカ同時多発テロとその後の情勢も考えよう。ブッシュが即座に「十字軍」の
言葉を出したのに対して、テロの首謀者とされるビン・ラディンは、「ジハード」を
宣言した。世界はこの動きを敬遠しているが、エルサレムの黄金のドームが爆破でも
されれば、いやでもキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の、世界三つ巴の宗教戦争と
ならざるを得ない。それを望んでいる者たちがいるのである。

 宗教そのものはなくならなくとも、骨抜きにしたいと彼らは考えている。かりに、
テロ戦争で核が使用され、カタストロフィーを結果したらどうなるだろう。悲劇的な
大破壊の中で、世界平和に危険な核兵器は、国連、究極的には世界政府の所有物にな
り、国家がもつことは許されなくなる。

 同時的に、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の三つは、ハルマゲドンの罪を負わ
されて、自由な信仰を奪われる。特に保守信仰は、世界に破壊を醸成する「原理主
義」の汚名を着せられ、事実上、命脈を絶たれることになるだろう。インドとパキス
タンも核戦争を仕掛けるのに絶好の場所だ。両国とも核を所持しているし、根強い保
守的宗教がある。

 宗教心とともに、愛国心、民族自決、国家の主権も失われ、すべての国が国連の究
極的姿である統一世界政府の地球村にされるときが遠からず来るだろう。それが何
年、何10年後かは問題ではない。いずれ来ることは、聖書の預言を踏まえながら、
この200年間の世界情勢を調べ、世界の動きを観察していれば、誰にでも予想がつ
く。

 では、どうするべきだろうか。長いものに巻かれてしまえばいいのか。暗いことを
考えず、夢見るニューエージの地球をイメージしてればいいのだろうか。だが、そう
なったら、家畜やロボット同然である。

 私たちに必要なのは現実を見極める目である。報道されることは事実の一部であ
り、必ず世界情勢には裏の面があるということ、裏と表の両面を合わせ見ることに
よって、より真実に近いことが見えてくることを知ることではないかと思う。

 この本は陰謀論の本ではなく、歴史書であるが、そこに書かれていることは、秘密
結社の歴史として、陰謀の世界に必然的に重なってくる。世に出ている多くの陰謀研
究は、直接経験によらず、他者の研究を調べた第三者的見解を述べているものがほと
んどだが、この本は、直接その世界に入った人間が書いた貴重な体験談でもある。

 ヨナは、先祖代々伝えられてきた古写本の真偽を確かめるべく、自ら新メーソンに
入団し、すべてを調べるために、33階級まで上り詰め、その間に経験した入会儀
礼、合図、合言葉、象徴のひとつひとつを記録し、古代の歴史書の内容と照合してい
る。

 このような大変な散財と時間と労力、先祖の人命さえ費やしてようやく実現したの
が本書なのだ。この本に書かれていることが、読者が世界の動きにさらに敏感にな
り、世界の動きに密接に絡む秘密勢力について、さらに理解を深める媒介になれば、
これに過ぎる歓びはない。

2001年12月8日 訳者

ヘロデの呪い―暴かれたユダヤ古写本
ローレンス・D.H. ローレンス (著), Lawrence D.H. Lawrence (原著), アワド カウリー (著), Awad Khoury (原著), 林 陽 (翻訳)
ヘロデの呪い―暴かれたユダヤ古写本
価格: ¥1,800
単行本 - 271 p (2002/02/01)
中央アート出版社 ; ISBN: 4813600727 ; サイズ(cm): 18 x 13
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4813600727/

 次へ  前へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。