ネット上ではむ、定説化しつつある9.11アタック陰謀論ですが、詳細に検討すると、陰謀論もいくつかの疑問を払拭できていません。また、陰謀論といっても色々なフェーズのものがあり、一度、整理しておく必要がありそうです。
まず、「アタックはオサマとアルカイダメンバーが実行したが、オサマはCIAエージェントで、米国も事前にアタックを知っていたが容認した」という見方。オサマーCIA共同謀議を裏付ける決定的情報がまだ、出てこないところが弱点です。
「オサマとアルカイダは、CIAとは何のかかわりもない。ただ、米国はアタックを事前に(モサドあたりからの情報で)知っていたが、阻止しなかった」という見方。陰謀論の中では、一番、リアリティがありますが、これもまだ決定的証拠は露見していません。
「ハイジャック機は外部から無線コントロールでWTCなどに突っ込まされた。WTCはビル内部に仕掛けられた爆弾で倒壊した。ペンタゴンは爆弾かミサイルで破壊された」といった見方。
もし、米国やイスラエルの諜報機関等の自作自演テロだとしても、大きな疑問は「WTCに爆弾を仕掛けて破壊し、これをアルカイダの犯行だ、としてしまえばいいわけで、なぜ、ジェット機を突っ込ませるといった大掛りなオペレーションが必要だったのか」が、分かりません。これだけのオペレーションをやるためには、関係者も大勢、必要で、秘密が漏れる危険も飛躍的に高まります。この点を納得させる説明がうまくつきません。ハイジャック機の激突、という事実を後知恵的に陰謀論に仕立て上げよう、としている、という印象で、無理、作為が否めません。ただし、ペンタゴンについては、既に色々、指摘されているように、ハイジャック機の体当たりによる破壊にしては、「機体の破片がほとんどみつからない」など不自然さが際立っています。何かおかしなことが起きたのは確実だ、と思われます。
そのほか「反フセイン派の元イラク軍人がやった」といった説は、仮説に過ぎず、今のところ、傍証が全く出てきていません。
ずるいようですが、筆者は、現時点では、陰謀かどうか断定できません。ただ、ペンタゴン破壊のみは、現時点でも、ハイジャック機の体当たりではないのではないか、と思っています。ダブヤ一派やシャロンのあまりの「バカ」ぶりに反発するあまり、まだ、疑問の余地の多い陰謀論が定説化してしまうのを防ぐ目的で、この投稿をします。
ダブヤ一派は「米国とイスラエルに逆らう非白人どもを皆殺しにしてしまいたい」というWASPどもの本音を、もっともらしい理屈(人権とか、全体主義批判とか)をつけずに、ストレートに表明している点が、歴代の米国政権と大きく違います。歴代の政権、特に共和党政権も本音では同じ志向を持っていますが、それをカモフラージュする理屈もつけていました。これは、ライスら政権のイデオローグの能力不足のせいでもありますが、圧倒的な軍事力だけで世界を支配して何が悪いのだ、という米支配層の苛立ちでもあります。そしてフランスを見ても、イスラムを中心とする反欧米勢力の台頭に、白人が耐え切れなくなっていることが明らかです。「文明の800年周期説」があるようですが、圧倒的な富の蓄積と軍事・経済力にも関わらず、西欧文明の耐用年数が切れつつあるようです。今世紀中に。西欧文明は終焉するのかも知れません。その次に来る文明の形はまだ良く見えませんが。