(回答先: イスラエル軍、ナブルスの旧市街地を包囲〔読売新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 04 日 21:42:42)
【エルサレム井上卓弥】
アラファト・パレスチナ自治政府議長がヨルダン川西岸パレスチナ自治区ラマラの議長府で監禁状態に置かれて以来、4日で1週間を迎えた。シャロン・イスラエル首相が外国追放を示唆したのに対し、議長は「(亡命するぐらいなら)殉教を選ぶ」と意気軒昂だ。だが、不自由な生活で72歳の議長に疲労が色濃いという。幾多の困難を乗り切り「中東の不死鳥」と呼ばれた議長の命運を世界が注視している。
「議長は精神的にはとてもしっかりしているが、やせて衰弱しているように見えた」
欧米の平和団体メンバーで、2日に議長に面会したフランス人女性(37)は3日、毎日新聞の電話取材に、こう証言した。昔話を語ることも多いといい「(94年にともにノーベル平和賞を受けた)イスラエルのラビン元首相(95年暗殺)のことを思い出しながら『今は和平について話し合える相手もいない』とこぼしていた」という。
また外国メディアに対し「元首相を殺した狂信的勢力が今、イスラエルを支配している」と語った。イスラエル軍がレバノンを侵攻した82年、国防相だったシャロン首相率いる同軍に、ベイルートの拠点を包囲され、最終的にチュニジアに追放された屈辱が脳裏をよぎっているようだ。
先月29日朝のイスラエル軍の議長府への突入で、側近や護衛らと執務棟2階の執務室など数室に閉じ込められた。その後、議長は狙撃の危険性などを考慮し、2日までに窓のない1階の部屋に移動したという。
議長府内には3日現在、平和団体の34人と議長側近らパレスチナ人約50人が缶詰め状態となっている。1日には切れていた電話が復旧、断続的に電気も通り始めた。
だが、「1日1人にジャガイモ1個しかない」(パレスチナ当局者)というほど乏しい貯蔵食料に加え、イスラエル軍に貯水タンクを破壊されたため飲料水の確保が最大の問題となっている。満足な寝具もない。
同団体の米国人男性は「援助物資を積んだトラックはほとんど来ず、薬も極端に不足している。赤新月社(イスラム社会の赤十字に相当)の救急車はイスラエル軍に押収された」と明かした。