【エルサレム4日=平野真一】
3日夜にヨルダン川西岸北部のパレスチナ自治区のナブルスに侵攻したイスラエル軍は、4日も、抵抗する武装パレスチナ人と交戦を続けながら市中心部への進駐を進め、パレスチナ治安部隊司令部や刑務所、キリスト教聖地「ヨセフの墓」、武装パレスチナ人が根拠地とする旧市街などを包囲した。米CNNテレビは、軍がほぼ制圧したと伝えたが、細い路地に阻まれているとの情報もある。交戦によるパレスチナ側の負傷者は、重傷1人を含め計7人となった。
交戦は、ナブルスと並ぶパレスチナ武装勢力の拠点とされる西岸北部の自治区ジェニン周辺でも続き、ジェニン難民キャンプでは戦車砲による激しい砲撃で建物2棟が大破・炎上、パレスチナ人一家5人が負傷した。
武装パレスチナ人約200人の立てこもる西岸中部ベツレヘムのキリスト教聖地「聖誕教会」では4日、軍が隣接する建物の裏口を爆破して突入、交戦になったとの情報もある。同教会やホテルから逃げられなくなっていた日本人を含む外国人約15人は3日、米総領事館などの車で脱出した。
一方、国際社会の批判の高まりを受けて戦闘の早期終結に向けた外交接触が活発化。イスラエルに滞在中のジニ米特使が4日、シャロン・イスラエル首相と会談するほか、欧州連合(EU)のソラナ外交安保上級代表やEU議長国スペインのピケ外相も同日イスラエル入りする。米欧は、西岸ラマッラで監禁状態に置かれているアラファト・パレスチナ自治政府議長との面会を認めるようイスラエル側に要求しているが、イスラエル側は「議長を徹底的に孤立化する」として拒否している。
(4月4日21:29)