【エルサレム1日=平野真一】
イスラエル軍による大規模なパレスチナ自治区侵攻を受け、アラブ諸国が対イスラエル強硬姿勢に大きく傾き出した。「議長府包囲」という事態に、アラブ大衆の反イスラエル感情は沸騰点に近づいており、政府としても厳しい姿勢を示す必要に迫られているためだ。
1日付イスラエル紙ハアレツによると、アラブ諸国でイスラエルと平和条約を結んでいるエジプト、ヨルダン両国は31日、イスラエルへの“懲罰措置”として、両国が同時にイスラエル大使に対し、国外退去を求める可能性を検討した。背景には「イスラエルをかばって自国の治安を危険にさらす」(ヨルダンのムアシェル外相)ことへの強い恐れがある。
アラブ世界では先月29日のイスラエル軍の侵攻開始以来、連日のように反イスラエル・デモが発生。パレスチナ人が人口の6割とも言われるヨルダンでは特に激しく、警官隊と衝突。エジプトでも1日、街頭デモを行おうとしたカイロ大学生約1000人を機動隊が催涙弾で鎮圧する事態となった。マーヘル同国外相が「イスラエルはわれわれのメッセージを理解していない」といらだちを表すほど、政府は世論の圧力を受けている。
(4月1日22:11)