【ニューヨーク30日=勝田誠】
国連安全保障理事会は30日未明(日本時間同日夜)、自治政府議長府のあるラマッラなどパレスチナ自治区の各都市からの軍撤退をイスラエルに対して要求し、イスラエルとパレスチナ双方に即時停戦を呼びかける決議案を、賛成多数で採択した。
採択された決議は、議長国ノルウェーが提出したもので、イスラエルで発生した自爆テロと、パレスチナ自治政府の議長府に対する攻撃に「重大な懸念」を表明。イスラエルとパレスチナの双方に、ジニ米中東特使らによる和平調停努力への協力と、自爆テロ、破壊などあらゆる暴力行為の即時停止を求めている。
表決では、シリアが棄権、残り14か国が賛成した。
アラブ諸国が用意した決議草案は「(停戦を)命令する」としていたが、採択された決議は、米国とイスラエルに配慮し、停戦を「呼びかける」との表現に変えられた。当初、拒否権発動を示唆していた米国は結局、賛成した。
アラブ強硬派で非常任理事国のシリアは、決議案が、イスラエルの軍事行動を非難していないことを理由に、表決を棄権した。
(3月30日21:37)