(回答先: アラファト議長を監禁 イスラエル軍〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 30 日 23:20:27)
ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラの自治政府議長府を制圧したイスラエル軍は、30日もアラファト議長を事実上の監禁状態に置き、兵糧攻めの構えを見せている。議長のいる建物は電気、電話、水が断たれたままで、最後の通信手段だった携帯電話もバッテリーがなくなり、外部から孤立した。イスラエルは議長を傷つける意図はないとしているが、監禁状態が長期化すれば、72歳と高齢だけに、議長の健康状態への懸念が高まりそうだ。
議長府の敷地では、アラファト議長と側近がとどまる執務室のある建物以外の建物を、イスラエル軍がブルドーザーで壊し続けている。電気がないため、夜はろうそくの明かりが頼り。それでも、パレスチナ通信は「議長の士気は高い」と伝えた。
イスラエル軍はラマラ市全域に夜間外出禁止令を出した。市内の住宅を捜索し、パレスチナの治安関係者らを拘束しており、銃撃戦が起きている模様だ。ラマラからの情報によると、市の中心部にある銀行の建物でパレスチナ警官5人が撃たれて死亡しているのが見つかった。
30日早朝には、アラファト議長率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの幹部サヘル・ハバシュ氏が逮捕された。ファタハの武装部門アルアクサー殉教者軍団は、今月21日と29日にエルサレム市内で起きた自爆テロで犯行声明を出している。
ラマラ市内の病院にとどまっているパレスチナ人権団体のフウェイダ・アラスさんは朝日新聞に対し、市内には軍事侵攻によるけが人や、ショックで心筋こうそくを起こした人がいるが、イスラエル軍が銃撃するため救急車が救援に向かえない状況だと述べた。医薬品も不足しており、人権団体は国際赤十字などに支援を要請したという。
一方、イスラエル軍は29日夜から、西岸の自治区ベイトジャラに戦車で侵攻を始めた。同夜、エルサレム南部のユダヤ人入植地ギロに対して、ベイトジャラから迫撃砲による攻撃があったのを受けた動き。いまのところ銃撃戦などは報告されていない。
また、イスラエル放送によると、レバノンとの国境付近に、イスラム教シーア派組織ヒズボラが迫撃砲を撃ち込み、イスラエル軍も応戦した。ヒズボラのラジオは「ラマラ占領への対抗措置」と伝えた。(23:23)