(回答先: イスラエル、議長殺害しないと米に保証〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 30 日 10:26:46)
【エルサレム海保真人】
パレスチナ自治政府はイスラエルの大規模軍事作戦が「アラファト議長個人を標的とし、自治政府の排除を目的としている」(ラボ文化情報相)と、かつてないほどに反発、住民に連帯と抵抗を呼び掛け始めた。これまで過激派の突出行動が目立っていた衝突は、住民を巻き込んだ「全面戦争」に発展する懸念も出てきた。
側近によると、アラファト議長は攻撃にさらされている議長府に、「固い信念を持って」居座る構えという。議長は29日朝、カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」に「我々は他のパレスチナ人殉教者たちと同様の道を選ぶ」と語り、死をも覚悟しているような意思を示した。また「彼ら(イスラエル)に我々パレスチナ人が1人として、ひざまずいたり降伏しないことを分からせてやろう」と連帯を訴えた。
ラマラからの情報では、パレスチナ指導部は住民に対し「隊を組織し、占領と侵略に立ち向かおう」と呼び掛けた。自治区の武装集団や住民の動向は明らかでないが、エルサレムのスーパーマーケットで爆弾テロが起きるなど過激派の「反撃」が既に始まった。
自治政府はイスラエル寄りの米国の介入に期待していない、エラカト地方行政相は「アラブ諸国はこの虐殺行為を静観すべきでない」と、アラブの支援にすがるような思いを語った。
アラファト議長がカタールのテレビ局「アルジャジーラ」に対し語った主な内容は次の通り。
一、パレスチナのだれ一人としてひざまづいたり、降伏もしない。
一、イスラエル軍は戦車やミサイルで、わが議長府を攻撃し、建物の一部が破壊された。
一、イスラエルは、私が囚われの身になるか、死ぬことを望んでいる。しかし私は、そうはならない。殉教者と同様の道を選ぶ。
【エルサレム支局】
笈川博一・杏林大教授(現代中東史)の話 イスラエルの大規模報復を、イスラエル国民の3分の2近くが支持しているのではないか。和平路線を望んでいた国民さえ、シャロン政権への支持に傾いているだろう。なぜなら、今月に入って激しくなっていたパレスチナの自爆テロに、イスラエルの市民たちは脅威と不安にさらされているに違いないからだ。
どこでテロに遭うかも知れないという神経質な生活を強いられており、大半の人々が「報復は当然」という意識になっているだろう。シャロン政権内も、これまでになくまとまっている。どうすれば事態が鎮静化するのか全く分からなくない状況だ。
闘争手段しか選ばないパレスチナと、和平交渉に一切応じないイスラエルという現在の構図では事態の改善は望めない。