9日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、ブッシュ政権が、中国やロシア、イラク、北朝鮮など少なくとも7か国を対象に、核兵器使用を想定した計画を策定するよう国防総省に指示したと報じた。限定的な核攻撃のため「より小型の核兵器」の開発も命じたという。
同紙によると、米議会に提出された機密報告書では、核兵器使用の対象国として、中露、イラク、北朝鮮のほか、イラン、リビア、シリアの3国を明記。その上で<1>通常兵器による攻撃で効果がない<2>核・生物・化学兵器による攻撃への報復<3>軍事的に驚くべき展開があった場合―の3項目を核兵器の使用条件に挙げた。
実際に核使用を想定している事例としては、アラブ諸国とイスラエルの紛争や中国と台湾の戦争、北朝鮮による韓国への攻撃があるという。
ロシアについては、「既に公式に敵国ではない」と機密報告書は述べているものの、同国が保有する大量の核弾頭は依然懸念されると強調した。
この報道について、核戦略の専門家らは「米国による核攻撃対象国のリストが明らかになったのは初めてと思われる」とした上で、「これらの国から強い反発を引き起こすだろう」と指摘している。(時事)
(3月9日21:15)