バグダッドからの情報によると、イラクのフセイン大統領は8日、石油輸出を同日から30日間停止すると発表した。イラクはパレスチナ自治区攻撃を続けるイスラエルへの圧力として、同国を支持する国への石油輸出停止を呼びかけていた。専門家はいずれも、アラブ産油国は自国への打撃の方が大きいとして、同調しないとみている。
73年の第4次中東戦争の時、アラブ産油国が石油価格を上げてアラブ支持を迫った石油戦略は、石油価の高騰を招き「オイルショック」として日本にも影響を与えた。
しかし現状は、世界的な景気の低迷で需要は横ばいが続き、かつてのような影響力はない。
また、OPECの政策に大きな影響力を持つサウジアラビアは、自国の財政悪化に直面し、長期的に安定した収入確保を優先しており、テロ問題で微妙になった米国との関係を傷つけないためにも、石油戦略には同調しないとみられている。(20:45)