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金融庁と日銀が8日、大規模なシステム障害を起こしたみずほフィナンシャルグループに対する合同立ち入り調査に着手した。原因究明や再発防止に加え、前田晃伸みずほホールディングス社長=写真=の経営責任の明確化が最大の焦点となる。4月に就任したばかりの前田社長の引責辞任だけは避けたいみずほ側に対し、日本の金融システムに対する信頼にも大きなキズを付けたとして、前田社長のクビを取りたい金融当局。両者の激しい攻防が繰り広げられることになりそうだ。
調査は、みずほが7日に金融庁に対し報告書を提出したことを受けたもの。報告書では、システムのプログラムにミスがあったことを明らかにしているが、障害が起きた具体的な原因や事前にチェックできなかった理由などには言及していない。また、経営責任についても、「実態解明が進んだ段階で明確化する」と記述されているだけ。
結局、最終的な原因究明とそれに伴う経営責任の所在は、当局の調査に委ねる形になった。当局側は3−4週間で調査を終え、6月中には業務改善命令など行政処分を行う方針だ。
原因については、プログラムミスや入力時の人為的なミスに加え、統合する旧3行の主導権争いでシステム統合の手法が二転三転したことや、統合直前にトラブルが発生していたにもかかわらず、現場からの報告をうのみにして見切り発車したずさんな経営判断などが指摘されている。
みずほとしては「いずれも統合前の問題で、旧経営陣に責任がある」との主張を展開。統合を決め、直前まで指揮した旧3行の前CEO(現特別顧問)3人を退任させ、前田社長ら現経営陣については、役員報酬の返上などで乗り切りたい意向とみられる。
これに対し、当局側は「社会的に大きな混乱を起こした責任は重く、世論も納得するような責任の取り方が必要。国会でも問題になっており、永田町の意向も影響する」(金融当局筋)としており、前田社長の辞任を迫っていくとみられる。
当局側はシステム障害発生後のみずほの対応も調査対象に加えており、この点から現経営陣の責任を追及していく戦法のようだ。
「前田社長は発生直後の記者会見にも出席しなかった上、国会でも『実害はなかった』などと発言し、大ひんしゅくをかった。こうした危機管理能力の欠如が結果として、みずほだけでなく、日本の金融システム全体に対する信頼に傷をつけた」(同)
みずほvs当局の攻防は、どうやらみずほ側の敗色が濃厚だ。