システム障害が続いているみずほグループは25日、企業の給料日や決済など400万件の処理が集中した同日はとりあえず順調にシステムが稼動していることを明らかにした。ただ、大型連休中で月末の30日にも約1200万件を処理する予定で、システム安定稼働は予断を許さない状況だ。銀行界では送金網の稼働時間を延長するなど影響も広がっている。
みずほホールディングスによると、25日は給与の振り込みや企業の決済取引などで約300万件、公共料金の口座振替(自動引き落とし)が約100万件の計400万件の取引集中日で、午後3時過ぎ時点で、「本日分については順調に処理ができている」(広報部の仲居浩一調査役)という。みずほでは30日などの処理を慎重に見極めたうえで、安定稼働の見通しを判断する。
また、みずほホールディングスの前田晃伸社長は、24日の衆議院・財務金融委員会で、30日にも口座振替で900万件、振り込みで300万件の計1200万件の処理が集中することを明らかにしている。公共料金を徴収する企業に対して入金データなどを規定の様式で返還する作業も遅れている。
みずほHDの前田社長は24日の同委で、「事前テストは不十分だったと言わざるを得ない」と述べ、新銀行発足前のテスト不足が障害発生につながったと認めた。一方、柳沢伯夫金融相は、事前テストで障害が発生したのにも関わらず、みずほが「虚偽の報告をしていた」との認識を示した。
一方、従業員に給与を支給する企業側では、みずほを取引先とする日石三菱などが、今回は、混乱を未然に防ごうと、給与の振り込み手続きをほかの銀行に委託するなどの対応をとっており、同じく給与支給や決済の集中日にある銀行界全体にも影響が及び始めている。
こうした状況を受け、全国銀行協会は同日、全国約180の銀行が加盟する送金網の「全銀システム」稼働時間を通常より1時間延長して午後4時半までとし、これに伴い日銀も、実際に資金を決済する「日銀ネット」も同日は1時間延長する。平日の稼働時間延長は異例だ。
みずほHDの終値は前日比1万6000円(5.82%)安の25万9000円。一時は2万9000円(10.55%)安の24万6000円まで下落した。売買代金は東証1部市場で2位の約233億円に膨らんだ。