【メキシコ市・藤原章生】
ブエノスアイレスからの報道によると、アルゼンチンのドゥアルデ大統領は23日、今年2月に変動相場制にした外国為替の扱いを再び固定相場制に戻すことを明らかにした。国際機関や先進国の資金援助を得られず経済再建の見通しが立たず、80年代のような自国通貨の暴落、超インフレを未然に防ぐための緊急措置とみられる。
アルゼンチンでは91年に兌換法を制定し、通貨ペソの対ドル固定制を導入し超インフレを抑制した。しかし、昨年12月、国内総生産(GDP)の約半分に相当する1400億ドルに上る債務の不履行(デフォルト)に陥り、同国の評価は暴落。ペソの実勢価格が大幅に下落したことから、今年2月、再び変動相場制に戻していた。
同国ではこれに先立つ同日午後、レメス経済財政相が辞任していた。経済相は銀行からの現金流出を防ぐため預金を国債に切り替える法案を提出したが、国民の不満を汲んだ議会がこれに反発、辞職に追い込まれた。
これを受けドゥアルデ大統領は23日、緊急閣議を開き、経済相の後任も決めないまま、固定相場制導入に踏み切った。
内乱の末、今年1月に始動したドゥアルデ政権は国際通貨基金(IMF)からの緊急融資を得られず、経済対策を打ち出せない状態が続いていた。