内閣府首脳は、今月中旬にも発表される特別検査の結果を踏まえ、経済財政諮問会議において新たなデフレ対策が必要かどうかを議論したいと述べた。
記者団に語ったもの。
内閣府首脳は、「もうすぐ、特別検査の結果がまとまるし、各金融機関の決算概要が出てくる。柳沢金融担当相を呼び、諮問会議において、デフレ対応策で必要なものがあるのかどうかを含め、議論したい。しっかりとした金融システムをできるだけ早く作り、金融仲介機能を回復させることが一番大きな目的だ」と述べた。この議論は、特別検査の結果を踏まえたものであり、今月中に議論を行いたいとしている。
税制改正に関して、政府税調と諮問会議の間で認識に差が生じているとされる点について、同首脳は、「全体の2~3割で違いがあるが、方向としては、かなりの部分で同じ考え方に立っている。手法、タイミング、時間軸の問題などあるため、6月の時点で完全に一致する必要はないが、大きな論点に基づいた議論をしながら、方向性は収れんさせる必要がある」と述べた。
6月に諮問会議がまとめる基本方針について、同首脳は、個人的な見解と断った上で、「経済活性化、税制、歳出の議論を含めた、総合的な報告書にしたほうが良い」と述べた。これを閣議決定するかどうかは、「しっかりしたものがまとまれば、閣議決定まで持ち込むことが素直だろう。6月末にはサミットがあるため、その前がタイミングだ」と述べた。
また、その際、税制の工程表を作るかどうかについては、「現段階で、工程表に載せるかどうかは確定していない。今後の議論の収れんの仕方次第だ。ただ、集中調整期間にやること、それ以降にやることの仕分けは、ある程度必要だろう」と語った。
今夕の諮問会議では、経済活性化策として、FTA(自由貿易協定)などグローバル化の問題や研究技術開発などについて、議論する予定。その他、今月は、2回程度の諮問会議開催を予定しており、経済活性化として雇用拡大や経済資産活性化、特区の問題、税制改正の中身の議論、柳沢金融担当相も出席してデフレ問題全般、政策金融などについて議論を行う、としている。
原油価格上昇が経済に与える影響について、同首脳は、「第一次石油ショック時と比べても、日本経済の原油の依存度は5分の1しかない。原油価格自体が日本経済に大きな影響を与えることはない。ただ、まだ、石油依存度が高い国もあり、間接的な影響は注視している。さらには、社会経済の混乱に結びつくなら、景気回復の足を引っ張ることになるため、注意しているが、日本経済に与えるショックは、それほど大きくない」との見方を示した。