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Re:【所得税の仕組みと所得税制変更後の所得税試算】あなたの年収では? 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 23 日 23:16:00:

(回答先: Re: 給与所得控除の縮小検討〜中低所得層は負担増も 共同配信続き 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 3 月 23 日 18:50:08)

>収入に応じ給与の5―40%が機械的に控除される仕組み。

40%の控除は、年間給与所得180万円以下の低所得者に対して行われる。
年間給与所得が400万円であれば、134万円(33.5%)が控除される。
年間給与所得が900万円であれば、210万円(23.3%)が控除される。


>政府税調は総務省の家計調査などを基に「実際の経費は大幅に低い」と判断し、控除
>率引き下げを検討。

これは、そのまま、健康保険適用の医院が70%の経費を認められていることに対しても言えることだ。医者以外でも、個人事業主は、様々な経費の恩典が認められている。

要は、文句が出にくく取りやすいところで数も多いところから取るための“言い訳”である。
文句が出やすい(影響力がある)サラリーマンの高額給与所得者は、税率の引き下げで減税になる可能性が高いので文句が出ない。


>「控除を縮小するとサラリーマンによる経費の申告が増え、納税者意識を高める効果
>もある」としている。

給与所得者に何を経費として認めるかという問題はあるが、様々な公的負担増と給与引き下げ(残業減やベース引き下げ)で家族がそこそこの生活をおくることがぎりぎりという所得層は、控除を申請できるような経費は掛けられないだろう。
いみじくも、政府税調自身が、総務省の家計調査などを基に「実際の経費は大幅に低い」と言っているくらいだ。


>配偶者控除と配偶者特別控除は、最大で合計七十六万円控除される。妻の収入が増え
>るほど控除額が減る点が問題で、政府税調は「女性の社会進出を阻んでいる」として
>制度廃止も含め、調整を進めたい意向だ。

もっともらしい説明だが、「妻の収入が増えるほど控除額が減る点が問題」というのであれば、妻である女性は、社会進出という“高尚な話”ではなく、「家計を支えるために否応なく仕事に出ていること」や「従事している仕事の給与が低いこと」を示唆するものである。
「配偶者特別控除」は配偶者の所得が38万円のとき0となり、配偶者の所得が76万円以上になると「配偶者特別控除」のみならず「配偶者控除」(38万円)もなくなる。

配偶者控除に引っかかる引っかからないが問題になるのは、パートタイマー的な仕事の場合だけである。
要は、パートタイマーをもっと増やして、賃金レベルをもっと押し下げたいという狙いがあるということ。


【控除率の引き下げと扶養者関連控除の引き下げに基づく所得税の試算】

控除率の引き下げは、“率”となっているから、高所得者の控除率である5%は据え置かれる可能性も高いだろう。(“額”で言えば、300万円で108万円、900万円で210万円の控除である)


[現在の税率]

 課税給与所得金額    税率   控除額  区分最高課税所得額
                       の実質税率
-------------------------------------------------------------------------
 3,300,000円以下 10%  −    10%
 9,000,000円以下 20%  33万円 16.3%
16,920,000円以下 30% 123万円 22.7%


[税率のみを一律5%引き下げたとき]

 課税給与所得金額    税率   控除額  区分最高課税所得額
                       の実質税率
-------------------------------------------------------------------------
 3,300,000円以下  5%  −    5%
 9,000,000円以下 15% 33万円  11.3%
16,920,000円以下 25% 123万円 17.7%


※税金計算の控除額も変わるだろうがここでは変わらないものとした


現在の「配偶者特別控除」最大38万円:全廃
現在の「配偶者及び扶養者控除38万円」:30万円
現在の控除率5−40%:4.4−35%


[年収別所得税試算]※厚生年金や健康保険の控除は無視している

A:年収400万円で専業主婦と子供2名:

[現在の所得税] 38,000円(税率10%)

  ※現在の控除率は30.8%

[想定の所得税]172,000円(税率5%:134,000円の増税)

  ※控除率を30.8%/40%*35%=26.9%とした


B:年収500万円で専業主婦と子供2名:

[現在の所得税] 118,000円(税率10%)

  ※現在の控除率は33.5%

[想定の所得税] 233,000円(税率5%:115,000円の増税)

  ※控除率を33.5%/40%*35%=29.3%とした


C:年収600万円で専業主婦と子供2名:

[現在の所得税]198,000円(税率10%)

  ※現在の控除率は29%

[想定の所得税]163,000円(税率5%:35,000円の減税)

  ※控除率を29%/40%*35%=25.4%とした


D:年収900万円で専業主婦と子供2名:

[現在の所得税]594,000円(税率20%−33万円)

  ※現在の控除率は23.4%

[想定の所得税]563,000円(税率15%−33万円:31,000円の減税)

  ※控除率を23.4%/40%*35%=20.5%とした

詳細がわからないままの試算だが、扶養控除関係がなくなったり減額されることで、低所得者になればなるほど所得税が増えることになる。
中低所得者は、“税率が半分”になっているのに増税なのである。

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