(回答先: 短期国債にデリバティブ導入へ 財務省〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 16 日 14:08:35)
>財務省は15日、早ければ02年度に発行する短期国債の一部で、デリバティブ(金
>融派生商品)取引を組み合わせて、利払い負担の軽減を図る方針を明らかにした。
あくまでも、2002年度短期国債の発行に関する話である。
決して長期国債の発行に関する話ではない。
>最近の相場で見ると、金利スワップを使った場合、国が支払うのは短期国債の金利
>0.01%とスワップ市場の10年物の金利約1.4%の計1.41%程度。国が受
>け取るのはロンドン銀行間取引金利(LIBOR)市場の短期金利約0.1%で、金
>利負担は差し引き1.31%程度になる。
ここにあるように、短期国債は0.01%の利子率で発行できる。
>新発の10年物国債の金利1.5%程度と比べると、0.2%ほど低くできる計算だ。
発行するのは何度も言うように短期国債である。
それが、どうして「新発の10年物国債の金利1.5%程度と比べると、0.2%ほど低くできる計算」になるのだ!!
>導入を検討しているのは、短期国債を発行する際、金融機関などとスワップ取引の契
>約を結んで短期の変動金利を受け取り、相手には長期固定の金利を支払う形だ。
この短期国債の話から離れても、この部分は、デリバティブ取引に特徴的な落とし穴である。
政府が受け取る金利は“変動金利”であり、金融機関に支払う金利は“長期固定金利”である。
変動するものは、どう変動するかわからないのである。
このような取引で、カルフォルニア州のオレンジ郡などが破綻した。
最近の報道でも、「豪政府が3174億円損失・為替スワップで[日本経済新聞]」
http://www.asyura.com/2002/hasan7/msg/840.html
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「朝日新聞」のこの記事を書いた記者がまるでアホなのか、財務省官僚が、まったくアホなことを企ているのかよくわからん記事である。
やや好意的に解釈すると、「長期国債は将来的な金利見通しで危険視され大量に発行できないから、本来ならば長期国債として発行したいのだが、消化し切れない不安があるので短期国債を大量に発行してなんとかやりくりする。その場合は、金利を長期金利並みにしなければならない??(ウソでしょ)」ということかな。
まともに解釈すると、「将来的に金利が上昇すれば、長期国債を保有している投資家に大きな評価損を与える。国債投資家の代表である銀行は、“危険な”長期国債ではなく“優良資産”と考えている短期国債を求めている。そして、銀行の財務状況はかんばしくない。それならば、短期国債の“安全性”そのままで長期国債並みの“金利”を銀行に渡すことで、銀行の財務状況を改善させよう」ということだろう。