財務省は15日、早ければ02年度に発行する短期国債の一部で、デリバティブ(金融派生商品)取引を組み合わせて、利払い負担の軽減を図る方針を明らかにした。導入するのは、長期と短期の金利差を利用して調達コストを安くあげる「金利スワップ」が有力で、低めの金利で長期固定の資金を調達できるが、将来の金利動向を読み違えると、かえって調達コストが割高になる恐れもある。
導入を検討しているのは、短期国債を発行する際、金融機関などとスワップ取引の契約を結んで短期の変動金利を受け取り、相手には長期固定の金利を支払う形だ。
最近の相場で見ると、金利スワップを使った場合、国が支払うのは短期国債の金利0.01%とスワップ市場の10年物の金利約1.4%の計1.41%程度。国が受け取るのはロンドン銀行間取引金利(LIBOR)市場の短期金利約0.1%で、金利負担は差し引き1.31%程度になる。新発の10年物国債の金利1.5%程度と比べると、0.2%ほど低くできる計算だ。
ただ、短期国債の金利が上昇した場合などは金利負担が増し、長期国債を発行した場合よりも割高になる可能性もある。このため、財務省は「導入までに、できるだけリスクが小さくなる仕組みをさらに検討する」としている。(09:27)